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武田薬品工業、がん治療統合ユニット設立(エジプト、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月4日 0時45分

武田薬品工業のエジプト法人タケダ・エジプトは、新行政首都で11月26日に開催されたエジプト保健医療庁第5回年次フォーラムで、イスマイリア県(注1)の医療施設における、がん治療統合診療ユニット(Integrated Practice Unit for Cancer Care:IPU)の設立を発表した。

IPUは、保健医療庁と同社が2024年3月に締結した戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)(2024年4月3日記事参照)に基づいて設立した医療システムだ。多分野のチームが世界基準にのっとった統一管理の下で運営され、治療結果と治療コストの両方を検証し、結果を多分野のチームで共有する。医療従事者への継続的な研修を重視している。

英国国民保健サービス(NHS)のがん専門病院、クリスティーNHS財団トラストのゲド・バーン(Prof. Ged Byrne)・グローバル・ヘルス・ダイレクターが、専門家14人とともにイスマイリア・メディカル・コンプレックス(Ismailia Medical Complex)で11月初旬に開催した3日間のワークショップの結果を報告した。

このタケダ・エジプトの発表会で、アーメド・エルソブキー保健医療庁長官は、IPUは国民皆保険制度における公共部門と民間部門の統合に向けた先駆的な取り組みであると評価し、武田薬品との提携が医療インフラ整備、腫瘍治療能力の向上に向けた重要な一歩であると強調した。

フォーラムでは、全国27県のうち第1フェーズとして6県(注2)で2018年に開始した国民皆保険制度(Universal Health Insurance)は、間もなく第2フェーズとして5県(注3)追加することが発表された。第2フェーズでは、新たに1,280万人が保険加入し、65病院、合計1万669床、初期診療センター516カ所が保険対象の医療施設になるという。

今回の年次フォーラムは、ノバルティスファーマとジョンソン・エンド・ジョンソンがダイヤモンドスポンサー、武田薬品とアストラゼネカなどがプラチナスポンサーを務めた。

(注1)イスマイリア県はスエズ運河の中間に位置する交通の要衝。

(注2)第1期の6県は ポート・サイド(Port Said)、ルクソール(Luxor)、イスマイリア(Ismailia)、南シナイ(South Sinai)、アスワン(Aswan)、スエズ(Suez)の各県。

(注3)第2期の5県はダミエッタ(Damietta)、ミニヤ―(Minya)、カフル・アル・シェイク(Kafr Al-Sheikh)、北シナイ(North Sinai)、マルサ・マトルーフ(Marsa Matrouh)の各県。

(西澤成世)

(エジプト、日本)

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