「ビバ・テクノロジー」に過去最多の日本企業が出展(フランス、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 1時25分
欧州最大のオープン・イノベーション・イベント「ビバ・テクノロジー2024」がフランス・パリで5月22~25日に開催された。120カ国から16万5,000人以上(前年比約10%増)が来場し、1万3,500社のスタートアップ(前年比約20%増)が参加した。日本は今回、カントリー・オブ・ザ・イヤー(特別招待国)としてジャパンパビリオンを設置。ジェトロが過去に出展支援したスタートアップカンファレンスの中で最大となる60社が出展した。
ビバ・テクノロジー2024の会場(ジェトロ撮影)
イノベーションアワードで日本企業が初めて部門賞受賞
LVMHが主催するイノベーションアワードでは、過去最大の89カ国1,545社から応募があり、ファイナリスト18社に日本から2社が選出された。ヘラルボニー(岩手県盛岡市)は日本企業として初めて「エンプロイーエクスペリエンス、ダイバーシティ&インクルージョン」(注1)部門賞を受賞した。同社は知的障害のある作家のアート作品のライセンス化に取り組んでおり、2024年中にフランス現地法人の設立とLVMHのアクセラレーションプログラムへの参画を通じて、世界最大級のスタートアップキャンパス「ステーションF」への入居を予定している。
そのほか、フランス航空機製造大手エアバスは航空分野で新素材、脱炭素化技術、ロボティクス・自動化の3分野に関する先進技術の研究開発拠点となるエアバステックハブを日本に設置することを同展示会で発表した。
(左)岸田首相のビデオメッセージ、岩田経済産業副大臣のスピーチ、(右)日本のエコシステムに関するパネルディスカッション(ともにジェトロ撮影)
日本企業がオープンイノベーションをアピール
今回、特別招待国に選ばれた日本は、開会式で岸田文雄首相のビデオメッセージを上映したほか、岩田和親経済産業副大臣、宮坂学東京都副知事が登壇した。また、日本のスタートアップエコシステムについてのパネルディスカッションも行われた(注2)。ジャパンパビリオンでは、出展52社のスタートアップ企業と8社のパートナー企業・団体が人工知能(AI)、クリーンテック、モビリティー、エンターテインメントなど幅広い分野の最新技術や、日本の大手企業とスタートアップの連携によるオープンイノベーションを世界に向けてアピールした。ジェトロは出展企業に対し、フランスのアクセラレーターによる事前メンタリングや、コネクション形成をサポートしたほか、SNSなどで事前広報や会場内外でピッチイベント、トークセッションを実施。その結果、ジャパンパビリオン出展企業はフランス大手企業を含む計約6,500件のビジネスコネクションの獲得に至った。
ジャパンパビリオンの除幕式(ジェトロ撮影)
次回のビバ・テクノロジーは2025年6月11~14日の開催を予定している。
(注1)「エンプロイーエクスペリエンス(EX)」とは、従業員が企業に所属することで得られる体験、「ダイバーシティ&インクルージョン」は人材の多様性、包括性のこと。
(注2)開会式の詳細はジェトロのお知らせを参照。
(井上尚貴)
(フランス、日本)
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