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Auto Week開催、今後の産業政策も議論(南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月23日 1時15分

南アフリカ自動車製造業者協会(NAAMSA)主催の自動車産業会議Auto Weekが10月15~18日、南アフリカ共和国・ケープタウンで開催された。17日には、シリル・ラマポーザ大統領やパークス・タウ貿易産業競争相も出席の下、基調講演などが行われた。

冒頭あいさつで、NAAMSAのビリー・トム会長(注1)は「(2023年の)自動車産業は南アGDPの5.3%を占め、関連業界を含めて39万7,000人を雇用し、南ア総輸出の14.7%、2,700億ランド(約2兆3,089億円、1ランド=約8.55円)に達し、輸出先も148カ国に及ぶ」と述べ、南ア経済に多大な貢献をしていることを強調した。一方で、自動車業界は大きな変革期にあるとし、資機材やエネルギー価格の高騰で生産コスト上昇などの課題も大きく、国民統一政府(GNU)が果たす役割にも期待する、と注文を付けた。

基調講演に立ったラマポーザ大統領も、同業界は依然として逆風に直面しているとの認識を示し、新型コロナ禍による打撃、サプライチェーンの混乱、脱炭素化への移行などを挙げた。特に脱炭素は業界にとって根源的な課題を突き付けており、よりクリーンで持続可能な仕組みへの移行は最優先事項との認識の下、民間部門と協力し、新エネルギー車(NEV)生産と必要なインフラ開発を促進することに尽力するとした。

続けてラマポーザ大統領は、NEV推進に対して貿易産業競争省だけでなく、石油・鉱物資源省も協力していると述べ、検討案件の中にはNEVおよび関連バリューチェーン生産に必要な重要鉱物の選鉱、電気自動車用バッテリー生産や、グリーン水素燃料電池市場のバリューチェーン開発も含まれ、HVやPHVなど代替技術を排除しない、包括的なNEV政策ガイドラインの最終決定に取り組んでいると述べた(注2)。電気自動車の普及に対しては、メーカーに対するインセンティブ、消費者に対する税還付や補助金などの施策も検討していると明らかにした。

同大統領はこれらの取り組みは、国民統一政府(GNU)が掲げる包括的な経済成長と雇用創出への施策の一環だとし「困難の中にこそチャンスがある。この機会を活用して成長し拡大し変革していくのは、私たち次第」と述べ、政府、産業界、労働界が協力を深めていくことへの期待を示した。

(注1)ビリー・トム会長は、いすゞ自動車南アフリカの社長も務める。

(注2)HVはハイブリッド車、PHVはプラグインハイブリッド車の略。政府が発表した電気自動車白書にはHVやPHV生産への政府支援が明言されておらず、南ア国内に拠点をおく完成車メーカーから懸念の声があがっていた。

(トラスト・ムヴントゥガイ、的場真太郎)

(南アフリカ共和国)

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