米財務省、北朝鮮との武器移転を理由にロシア人2人と3つの事業体を金融制裁対象に指定(米国、ロシア、北朝鮮、ウクライナ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月20日 13時35分
米国財務省外国資産管理局(OFAC)は5月16日、ロシアと北朝鮮間の武器移転を促進したとして、ロシア人2人とロシアを拠点とする3つの事業体を金融制裁の対象である「特別指定国民(SDN)」に指定した。
財務省の発表によると、ロシアと北朝鮮は2023年から軍事協力を強化しており、北朝鮮はロシアに弾道ミサイルや軍需品を提供し、その見返りとして、北朝鮮はロシアへ軍事支援を求めている。今回のSDNの指定は、こうしたロシアと北朝鮮の軍事協力を促進する個人や企業を対象としている。例えば、今回SDNに指定されたロシア人は、迫撃砲の商業取引を提案したほか、ロシアの企業を介して、北朝鮮の武器ディーラーへ航空部品の出荷と配達を促したとされている。今回、SDNに指定された個人・事業体の詳細は、財務省のウェブサイトから確認できる。
SDNに指定された個人・事業体は、在米資産の凍結や、米国人との資金・物品・サービスの取引禁止が科される。SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。なお、米国人には、米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人が含まれる。
今回の制裁について、国務省も同日、声明を発表している。同省によると、ロシアは、ウクライナとの戦争に必要な軍需品を北朝鮮に依存するようになっており、既に40発以上の北朝鮮製の弾道ミサイルをウクライナに対して使用している。また、これらミサイルや軍需品は、国連安全保障理事会の北朝鮮に対する決議に反して輸入したものだという。同省はまた、国連安保理北朝鮮制裁委員会(国連安保理決議第1718号により設立)の権限を拡大する、国連安保理決議に対するロシアの拒否権を非難する、とも述べている。
(赤平大寿)
(米国、ロシア、北朝鮮、ウクライナ)
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