1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

財務省、ムンバイ税関のFTA手続き厳格化に是正勧告(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 10時25分

インド財務省間接税関税中央委員会(CBIC)は6月8日付の通達で、西部ムンバイのナバシェバ港(JNPT=Jawaharal Nehru Port Trust)税関に対し、自由貿易協定(FTA)の下で第三国インボイス(注1)を利用した三国間貿易によって輸入された貨物を、遅延なく引き渡すように指示した。

インド2位のコンテナ取扱量のナバシェバ港税関では3月20日、同税関職員向けに、原産地証明書の審査規則であるCAROTAR2020(注2)に基づき適切にFTA特恵税率を適用するため、特に三国間貿易に対して、より厳格な原産地確認を求める通達を出していた。これにより、主にASEAN-インド自由貿易協定(AIFTA)に基づく特恵税率適用や通関手続きに影響が発生しており、産業界が対応改善を訴えていた。ジェトロに対しても、当地の日系企業から、「ナバシェバ港税関にて、東南アジアからの貨物に対するEPA(経済連携協定)特恵税率適用のため、これまで要求されていなかった書類が求められている」「通常よりも通関に時間がかかり、コンテナの延長保管コストが発生している」といった相談が寄せられていた。

今回の通達では、原産地証明書の審査に関して、従来のCAROTAR2020のルールにのっとり、過剰な対応を行わないように求めた。通達内容のポイントは次のとおり。

CAROTAR2020では、原産地証明で申告された原産地が疑わしい場合には、税関職員が輸入者に詳細情報の提出を要求し、さらなる検証を行う義務があると定めている。一方で、第三国インボイスの場合は、輸出者発行のインボイスの提出や仲介者発行の輸出インボイスへ商取引上の機密情報を記載することは任意としており、強制していない。
AIFTAの原産国ルール認証手続きでは、商品が原産地基準を満たす場合、三国間貿易を認めている。その場合、第三国インボイス価格と輸出者の発行するインボイス記載のFOB価格が一致しない可能性がある。
上記の点を加味した上で、問題を再調査し措置を行うとともに、貨物を遅延なく通関することを求める。

今回の中央当局からの通達によって状況が改善されることが期待されるが、現在のところ、ナバシェバ港税関からは職員向けに新たな通達は出ておらず、今後も注視する必要がある。

(注1)第三国インボイスは、「ASEAN域内の特恵関税を受けるための手続きおよび規則」を参照。

(注2)CAROTAR2020は、インドで2020年9月に施行されたCustoms(Administration of Rules of Origin under Trade Agreements)Rulesの通称(2020年9月15日記事参照)。FTAなどで特恵税率を利用する際に必要となる原産地証明書の審査に適用される制度。

(丸山春花)

(インド)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください