中国、日本産水産物の即時の輸入再開は否定(中国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月24日 16時45分
中国の外交部は9月20日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水(注)の海洋放出について日本と認識を共有したことに関し(2024年9月20日記事参照)、「日本産水産物の輸入を即時に全面的に再開することを意味しない」とした。
外交部は、中国は引き続きWTOルールと中国の法令に従い、科学と事実を基準として、安全を確保するという前提の下、関連のモニタリング活動に有効に参加し、独立したサンプリングを実施し、かつ、結果を確認したのち、科学的証拠に基づき関連措置の調整に着手するとした。
その上で、日本と技術面での協議を行い、中国の要求が十分に満たされたという前提の下、徐々に基準に適合した日本の水産物の輸入を再開するとした。
外交部は、あらためて日本の海洋放出を非難するとともに、日本および関連の国際組織との間で、これまで10回を超える協議を行ったとした。
また、(1)日本の海洋放出に反対する立場は変わっていない、(2)現在の評価とモニタリングは全面的でなく、透明性と信頼性に欠ける、(3)処理水問題は政治的問題であり、それ以上に科学的問題である、(4)日本産水産物の輸入停止は中国政府による人々に対する責任の体現であるとの認識を示した。
国家海洋環境モニタリングセンターの姚子偉研究員は、ALPS処理水の海洋放出は現時点で中国の管轄海域の放射線量に影響を与えていないとしながらも、今後の影響は注視する必要があるとした(「澎湃新聞」2024年9月21日)。
農林水産省によれば、2024年1~7月の日本の中国向け水産物輸出額は、前年比92.6%減の39億円となっている。
(注)中国はALPS処理水について「核汚染水」と表現している。
(河野円洋)
(中国、日本)
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