ジェトロが遼寧省瀋陽市で日本産酒類商談会を開催、約200社が来場(中国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 1時0分
ジェトロは6月19日、中国東北部に位置する遼寧省瀋陽市で、国税庁と共同で日本産酒類商談会を開催した。出展者は日本の酒蔵や商社、および中国現地代理店を含む32社で、出品された商品は日本酒、焼酎、梅酒、ウイスキー、ワイン、リキュール、ジンなど約300品目に及んだ。瀋陽市および周辺地域のディストリビューター、飲食店、小売店など約200社の購買担当者が来場した。
来場者からは、「当社ではワインと白酒を取り扱っており、日本産酒類を販売したことはないが、他社と差別化できるアイテムを探している最中だったので、今回の商談会は良い機会となった」「今回の商談会に出品された商品は瀋陽市で流通していないものが多く、新商品を探す良い機会だった」とのコメントがあった。出展企業からは、「遼寧省でまだ安定的な販売ルートを構築しておらず、パートナーになりうる企業と商談できた」「日本料理店のほか、中華料理店や酒類専門店の来場も多く、新規販路の開拓の可能性が見えた」との声が上がった。一方で、「日本酒などへの知識が乏しい企業も来ており、まずは知ってもらうことが大事だと感じた」とのコメントもあった。
会期中に開催された日本酒に関するセミナーでは、日本酒サービス研究会・酒匠(さかしょう)研究会連合会(SSI)認証国際唎酒師(きき酒師、注)の尹航氏が「(中国の)東北市場における日本酒の活用策」と題して、来場者に対して日本酒の基礎知識や市場開拓方法について講演を行った。同セミナーには定員の2倍を超える約60人が参加し、日本酒を試飲しながら熱心に聞き入った。参加者からは、「試飲を兼ねたセミナーは初めてであり、日本酒の味や特徴について深く理解できた」「日本酒の多様な売り方を知り、今後の販路開拓に役に立った」といった声が聞かれた。
ジェトロでは今後も引き続き、日本産食品に対する現地の具体的なニーズを発掘しながら日本企業とのマッチングを支援していく予定だ。
商談の様子(ジェトロ撮影)
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
(注)日本酒版のソムリエ。唎酒師の資格制度は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が1991年に制定している。また、2009年には外国語で唎酒師の認定試験を実施する資格制度も制定しており、外国語で受験した者には「国際唎酒師」の資格を付与している(2024年3月12日付地域・分析レポート参照)。
(王哲)
(中国、日本)
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