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メキシコ初の女性大統領、与党のシェインバウム氏が勝利宣言(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月4日 11時30分

メキシコ大統領選挙の開票が6月2日に行われ、大差で与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長が当選確実となった。シェインバウム氏の得票率は6月3日未明時点で57.7%を獲得し、2位の野党連合〔国民行動党(PAN)、PRI、民主革命党(PRD)〕のソチル・ガルベス前上院議員の29.3%に約2倍の差をつけた。第3勢力だった市民運動(MC)のホルヘ・アルバレス・マイネス前下院議員は10.6%だった。

シェインバウム氏は大統領選の結果を受けて、「第4次変革の継続(注1)と発展を可能にし、メキシコ合衆国200年の歴史の中で、初めての女性大統領となる」と述べた。大統領の任期は6年で、再選はない。

シェインバウム氏は、メキシコ国立自治大学(UNAM)で環境工学博士を取得しており、2000年、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領がメキシコ市長時代に同市の環境長官に任命され、メトロバスの導入に尽力した。その後一度、研究職に戻り、2015年にメキシコ市トラルパン区長に当選した後、2018年からメキシコ市長に当選し、2023年に大統領選に立候補して与党の公認候補になった(2023年9月12日記事参照)。

次期大統領は前政権をどこまで踏襲するかが焦点

AMLO大統領の「愛娘」といわれるほど、現大統領との距離が近かったため、基本的な政策路線に変更はないとされている。しかし、AMLO政権下の6年間で蓄積した問題が徐々にあらわれ始めている。4大インフラプロジェクト(注2)への公共投資や年金・奨学金などの拡充に伴う福祉政策により2024年は財政赤字となるとみられており(2024年4月3日記事参照)、さらに赤字が膨らむ可能性がある。また、電力不足(2023年10月20日付地域・分析レポート参照)や干ばつによる水不足が顕著になっている中で、AMLO大統領が電力庁(CFE)の権限強化や生活用水の水利用権の制限などを盛り込んだ憲法改正案を提出しており、数々の問題に対してどのようなかじ取りをしていくかが注目される。

(注1)MORENAに所属するAMLO大統領が掲げる、スペインからの独立戦争、レフォルマ(自由主義改革)、メキシコ革命に続く改革を指す。前政権の腐敗したエリートによる政治によって国内の社会格差が拡大したと断じ、「国民のための政治」(1980年代以降のネオリベラリズム政策からメキシコの伝統的な社会主義的政策への方針転換)を目指している。

(注2)アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール政権下で進められてきた4大インフラプロジェクトのうち、マヤ観光鉄道(2020年5月25日記事参照)およびテワンテペック地峡開発(2023年7月4日記事参照)への公共投資が拡大している。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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