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財務省が新首都「ヌサンタラ」の税制優遇を規定(インドネシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 0時50分

添付資料PDFファイル(79 KB)

インドネシア財務省は5月16日、東カリマンタン州で建設中の新首都「ヌサンタラ」の税制優遇措置に関する財務大臣規則2024年第28号を公布し施行した。同規則はヌサンタラの投資制度に関する政令2023年第12号の細則に当たる。優遇措置を導入する税は、所得税、付加価値税(VAT)、奢侈(しゃし)税、関税となる。

所得税については、法人税の一定期間免除、本社や地域事務所の設立や移転に対する法人税減免、従業員の個人所得税(PPh21)免除、特定の人材育成活動や研究開発活動に対する所得控除などを規定した。

法人税の一定期間免除の対象要件は次のとおり。

国内の法人納税者であること。
ヌサンタラやパートナー地域(注1)にある本社や事業所を通じて事業活動を行うこと。
ヌサンタラの開発と発展を加速する戦略的価値を持つ事業またはインフラや公共サービス事業への100億ルピア(約9,700万円、1ルピア=約0.0097円)以上の投資を行うこと。

適用期間はセクターや投資時期に応じて、10~30年と定めた(添付資料表参照)。

本社や地域事務所の設立・移転に対する法人税減免については、要件を満たせば、最初の10年間は100%、次の10年間は50%の軽減措置を適用する。要件は次のとおり。

ヌサンタラに経済的実体を有する(注2)こと。
インドネシアで有限責任会社のかたちで法人を設立していること。
新しい事業活動であること。ヌサンタラ以外に拠点を置く法人納税者および/または法人納税者のビジネスグループの解散、清算、合併、統合、分離、事業引き継ぎ、事業譲渡の結果ではないこと。
法人税減免の承認決定の発行から1年以内に、ヌサンタラに本社および/または地方事務所を設置すること。
認可された省庁または機関が発行した営業許可を取得していること。
これまでに本社や地域事務所の設立・移転に対する法人税減免措置を受けたことがないこと。

そのほか、ヌサンタラでの産業開発に資する資本財を輸入する際の輸入関税、付加価値税、前払い法人税(PPh22)の免除、ヌサンタラでの産業開発に資する物品を輸入する際の関税の免除を定めた。

インドネシア雇用者協会(Apindo)の組織間関係調整部長のサルマン・シマンジョラン氏は「政府が提供する税制優遇措置は、ビジネス関係者が期待していた措置だ。新首都への投資加速につながることを期待する」と述べた一方で、土地のステータスや所有権などの法的確実性にかかる懸念を解消していく必要もあるとした(「コンタン」5月19日)。

(注1)パートナー地域は、財務大臣規則2024年第28号第1条で「ヌサンタラ新首都庁が指定するヌサンタラ経済圏の建設・開発のために指定されるカリマンタン島内の特定地域」と定義されている。

(注2)経済的実体を有することを示す条件として、「ヌサンタラで事業活動を遂行するための十分な権限を有していること」「年間運営コストを150億ルピア以上支出していること」「インドネシア人労働者の正社員を少なくとも50人以上雇用していること」「配当、利子、ロイヤルティーおよび/または資産譲渡益以外に事業収入があること」と定められている。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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