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中国による農水産物34品目の免税停止措置に対し、台湾は対話呼びかけ(台湾、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月26日 15時15分

台湾農業部は9月19日、中国が9月25日から台湾産の34品目(注1)の農水産物の関税免除措置を停止すると発表したことに対し、「影響は限定的かつコントロール可能で、引き続き高付加価値市場を開拓していく。中国の措置は交渉を経ず一方的に行われ、措置の実施期間や中台間の農水産品貿易の透明化について、対話を呼びかけているが、反応がない」とコメントした。

台湾の大陸委員会は18日にコメントを発表し、「中国は政治的理由から、経済的な手段を用いて台湾に圧力や脅迫を加えている。これは両岸関係の維持に資するものではない。中国共産党の最近の一連の措置(注2)は、明らかに貿易を武器とし、あらゆる優遇措置を脅迫の道具として使っている。これが、われわれが中国共産党の『善意』に依頼してはならないと呼びかける理由だ。中国は一方的に台湾の貿易措置(2023年12月19日記事2023年12月19日記事参照)を貿易障壁に当たるとし、報復措置を取った。これはWTO規則に反する。双方はともにWTOのメンバーであり、WTOや既存の協定などのメカニズムを通じて、対立ではなく対話に置き換え、現実的なコミュニケーションを用いて紛争を実務的に解決していくべきだ」とした。

致理科技大学国際貿易学部の張弘遠副教授は、「今回の中国の措置は、最近の頼清徳総統の両岸関係に関する発言内容が、比較的強硬であることへの不満を表す政治的なメッセージだろう」と分析した(「中央社」9月19日)。

(注1)果物15種類(パイナップル、バンレイシ、マンゴー、スターフルーツ、マンゴーなど)、野菜11種類(カンラン、カリフラワー、ヘチマなど)、水産品8種類(マナガツオ、サバ、タチウオなど)

(注2)中国は2021年9月20日から台湾産バンレイシとライチの輸入について、害虫の発生を理由に一時停止していた。このほか、中国は2021年3月1日から台湾産パイナップル2022年6月13日から台湾産ハタ2022年8月3日から台湾産かんきつ類、タチウオ、冷凍アジの輸入を一時停止した。台湾産バンレイシは2023年6月20日から条件付きで輸入が再開されていたが、今回の措置で再び輸入停止の対象となった。台湾産ブンタンは2024年9月2日から条件付きで輸入が再開された。このほか、海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)に基づいて台湾に対して行っている関税引き下げ措置について、2024年1月1日から石油化学品目12品目、2024年6月15日から石油化学品や紡績、鉄鋼など134品目で停止している(2024年6月5日記事参照)。

(江田真由美)

(台湾、中国)

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