2023年GDP成長率は前年比2.9%増で減速も、IMFは順調な経済回復評価(ガーナ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月26日 1時35分
ガーナ統計局(Ghana Statistical Services:GSS)は3月20日、2023年の実質GDP成長率を前年比2.9%増と発表した。2022年の3.1%からわずかに減速する結果となったが、2023年を四半期ごとに見ると、第1四半期(1~3月)から順に3.1%、2.5%、2.2%と推移した一方で、第4四半期(10~12月)は3.8%と上向きになった(2024年1月31日記事参照)。また、IMFが予想していた2023年の実質GDP成長率2.3%を上回っている。
部門別では、サービス部門が前年同期比5.1%と最も高く、このうち情報通信(14.6%増)、医療・社会サービス(8.4%増)、宿泊・食品関連サービス(6.0%増)などが成長を牽引した。農業部門は4.5%のプラス成長を記録し、畜産(5.9%増)、農作物(5.0%増)が好調だったが、林業・伐採(3.8%減)、漁業(2.0%減)がマイナス成長だった。工業部門は採鉱・採石(8.3%増)が成長を牽引した一方で、電力(19.5%減)、建設(12.8%減)が足を引っ張ったが、工業部門全体としては1.6%増と5四半期ぶりのプラス成長となった。
2023年5月にIMFが承認した融資額約30億ドル(期間36カ月)の拡大クレジットファシリティー(Extended Credit Facility:ECF、注、2023年5月19日記事参照)について、IMFは4月2日から12日までに2回目のレビューを実施し、ガーナ政府と事務レベルで合意したと発表している。消費者物価指数(CPI)上昇率も、2024年3月には25.8%まで低下しており、財政と対外ポジションも大幅に改善したと評価した。2国間公的債権者との債務返済に係る覚書の合意後、3回目の融資(約3億6,000万ドル)がIMF理事会で承認され、6月ごろをめどに実行予定だ。なお、IMFは2024年末期の消費者物価指数上昇率を15.0%、2025年末期には8.0%と一桁台に落ち着くと予想している。
(注)慢性的な国際収支上の問題を抱える低所得国向けの中期的支援で、ECFの下での融資は現在ゼロ金利、支払い猶予期間は5年半、最終満期は10年となっている。
(数実奈々)
(ガーナ)
この記事に関連するニュース
-
米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達した中国経済が昨年は3分の2まで縮小
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月30日 18時21分
-
西バルカン諸国の経済、新型コロナ禍からの回復傾向が続く、世界銀行レポート(西バルカン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月24日 0時20分
-
第1四半期経済成長率、前年同期比5.3%、年度目標達成への基盤築く(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月17日 14時30分
-
IMFの経済見通し、米国の2024年成長率は2.7%と前回見通しを上方改定(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月17日 11時45分
-
2023年の経済、直近のインフレ率動向と短期的見通しを発表(モザンビーク)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月15日 1時25分
ランキング
-
1ロシア戦術核兵器の演習計画、プーチン氏「異例ではない」
ロイター / 2024年5月9日 20時18分
-
2台湾・頼清徳次期総統「台湾有事は日本有事」に「独立を図るものだ」と中国反発
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 18時23分
-
3「交渉でのイスラエルの立場を損ねた」イスラエル軍のラジオ局 バイデン大統領の“武器供与停止”示唆受け
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 23時49分
-
4水原一平被告が司法取引に合意し罪を認める 専門家「ほぼ全面降伏」「取れるものだけは取って(禁錮)20年~30年は回避したイメージ」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月9日 16時32分
-
5歯のホワイトニング、SNSに溢れる「危ない偽情報」「根拠ナシの方法」に騙されないで!
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月9日 18時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください