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米国自動車メーカー調査、新車市場はおおむね良好、EV化には不測事態に備える準備(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月31日 0時10分

米国自動車販売コンサルティング会社のケリガン・アドバイザーズ(本社:カリフォルニア州アーバイン)が自動車メーカー幹部を対象に行った調査(注1)によると、多くの回答者が消費者需要と市場の実態に対応するために内燃機関(ICE)車とハイブリッド車の生産についてのコンティンジェンシープラン(不測事態に対応する計画)を準備していることが明らかになった。新車市場の先行きに関してはおおむね前向きな見通しを持っているものの、電動化への移行については、当初の予測よりスピードが遅くなっているためだ。

回答内容を詳しくみると、今後12カ月の新車販売見通しに関しては、回答者の44%が増加、48%が2023年の水準にとどまると回答し、減少するとの見通し(8%)を大幅に上回った。また、車両の在庫状況を示す在庫日数(注2)に関しては、70%が60~90日に正常化すると予測し、前年調査時の38%から大幅に増加した。なお、オートモーティブニュース・データセンターの調べによると、メーカー別にみた2024年1月時点での在庫日数は、トヨタが24日、現代(起亜を含む)が26日、フォードが67日だったが、7月時点ではそれぞれ27日、44日、89日といずれも伸びている(注3)。

一方で、電気自動車(EV)化の動向に関しては、回答者の64%が、自動車メーカーは販売目標を達成できないだろうと答えた。また、81%がEVへの移行は当初の計画より遅れていると答え、計画どおり(15%)、計画より早い(4%)を大きく上回った。さらに86%が、EVが予想どおりに市場に浸透しない場合に備え、自社でICEの生産計画を策定していると回答した。

EV販売が低迷する理由として最も多かったのが、車両価格の高さ(39%)で、次いで充電インフラ不足(31%)、消費者需要の低迷(30%)だ。なお、米国自動車調査会社のケリーブルーブックによると、2024年6月時点のバッテリー式電気自動車(BEV)の平均車両価格は5万6,371ドルで、2022年6月のピーク時から16%下落した。連邦、地方政府が提供する税額控除などを利用すれば、より購入しやすい水準まで下がることになる。一方で、充電インフラに関しては、いまだ十分な設置が見通せず、課題は残ったままだ。

(注1)調査期間は2023年12月~2024年6月。自動車メーカー幹部からの回答数は110件以上。

(注2)在庫として抱える車両数が何日分の販売に該当するかを示す指標。適正在庫日数は60日程度といわれる。

(注3)ゼネラルモーターズ(GM)など一部のメーカーは発表していないため、オートモーティブニュースは業界平均の在庫日数を発表していない。

(大原典子)

(米国)

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