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スマート国家構想開始から10年、第2段階へ(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月7日 0時5分

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は10月1日、最新のデジタル技術を活用して経済活性化と豊かな暮らしを目指す「スマート国家(スマートネーション)」構想の第2段階となる新イニシアチブを発表した。スマート国家戦略の新たな方針を示した「スマート国家2.0」では、人工知能(AI)の導入を一層推進するとともに、オンラインの信頼性強化に取り組む。

同国は2014年11月にスマート国家構想を開始した(2019年8月30日付地域・分析レポート参照)。これまでにスマートフォンを通じて即時決済ができる「ペイナウ(Paynow)」や、携帯電話を活用した身分認証「シングパスモバイル(Singpass Mobile)」など、複数の取り組みが導入された。スマート国家構想の第2段階では、テクノロジーを通じて(1)オンラインの信頼性向上、(2)個人、企業の能力向上、(3)コミュニティーの団結に取り組む方針だ。

ウォン首相は企業の能力向上の一例として、AIを活用して科学研究の効率化を図る「科学のためのAI」プログラムに、最大1億2,000万シンガポール・ドル(約135億6,000万円、Sドル、1Sドル=約113円)を支出する方針を明らかにした。同プログラムの一環で、バイオ医薬やヘルスサイエンス、先端製造技術など戦略分野でのAIについて、研究者間の共同研究を支援するとしている。

また、デジタル開発・情報省(MDDI)は、主要なデジタルインフラやサービスの安全性を強化するため、新法「デジタルインフラ法(Digital Infrastructure Act)」を2025年に導入する。さらに、オンラインの暴力を受けた被害者を救済する専門の政府機関を、新法を導入した上で設置する。詳細については後日、発表する予定だ。

ウォン首相は、これまでの「スマート国家1.0」ではテクノロジー利用を重視していたと指摘した。その上で「スマート国家2.0」では「より効果的なテクノロジーの活用を通じて、われわれの将来を変革することに専念する」という方針を示した。

情報通信開発庁(IMDA)によると、同国のデジタルエコノミー(注)の規模は、2023年のGDPの17.7%を占めた。デジタルエコノミーの2023年までの5年間の年平均成長率は11.2%で、GDP全体の同期間の年平均成長率5.8%を大きく上回った。

(注)IMDAによると、デジタルエコノミーを、(1)情報通信部門の付加価値と、(2)その他部門のデジタル化に伴う付加価値の総額としている。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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