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バイデン米政権、造船業の競争力強化に関する取り組み成果発表(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月2日 0時40分

米国のバイデン政権は7月29日、米国の海運や造船など海事産業に関する民間企業や連邦政府の取り組みをまとめたファクトシートを公表した。ファクトシートの冒頭では、「米国の造船サプライチェーン全体を支援し、同盟国やパートナー国との協力を通じて、世界の海事環境の安全性強化に取り組んでいる」「さまざまな取り組みを通じて、世界の民間部門のパートナーから米国への投資を促している」として、バイデン政権による米国の海事産業の競争力強化に関する取り組みを強調した。

具体的な民間企業の取り組みとして、韓国造船会社のHD現代重工業による米国の大学などとの教育連携や、カナダのデイビー造船所の対米投資計画、フィンランド港湾機器メーカーのコネクレーンズの対米投資計画、米国のボリンジャー造船所での民間投資事例を列挙した。また、連邦政府の取り組みとして、連邦海事局が7月10日に発表した小規模造船所に対する助成金の交付対象決定や、米国とカナダ、フィンランドの3カ国が7月11日に合意した砕氷船建造の協力に関するイニシアチブ、米海軍が7月22日に公表した労働力開発のイニシアチブ、連邦海事局が7月25日に公表した米国造船業に関するファクトシートの事例を列挙した。

なお、連邦海事局が7月25日に公表した米国造船業に関するファクトシートによると、米国の造船業に関連する経済活動は2023年に国内で約40万人の雇用を支え、424億ドル以上のGDPを創出している。また、米国の造船業は米海軍向けの艦船・潜水艦の建造に集中している。

米国連邦議会からは、中国との戦略的競争関係を念頭に、米国の造船業の競争力強化に向けたさらなる取り組みを求める声も上がる。ハーレイ・スティーブンス下院議員(民主党、ミシガン州)は6月に開催された公聴会で、造船業に関しても、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)のような国内産業振興策の検討が求められていると述べた(2024年6月28日記事参照)。また、マイク・ジョンソン下院議長(共和党、ルイジアナ州)は7月に行った講演で、中国は米国の232倍の造船能力を保有していると問題視し、海事部門に再投資して船舶建造と造船所建設に取り組む必要性を指摘した(2024年7月10日記事参照)。

国内の造船産業保護に向けて輸入制限措置を講じようとする動きもある。米国通商代表部(USTR)は2024年4月に、中国の造船や海事分野に対する追加関税の要否を判断するための調査を開始したと発表している(2024年4月18日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、中国)

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