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BYD、第5世代プラグインハイブリッドシステム技術を発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月10日 11時35分

中国の新エネルギー車(NEV)大手の比亜迪(BYD)は5月28日、同社にとって第5世代となる最新のプラグインハイブリッド(PHEV)技術「DM」(「DM5.0」)を陝西省西安市で発表した。同時に、「DM5.0」を搭載した「秦(QIN)L DM-i」と「海豹(SEAL)06 DM-i」を初公開した。

「DM5.0」は2021年に発表した第4世代技術と比べ、燃費が大幅に改善している。同社発表によると、エンジン熱効率は世界最高レベルの46.06%を達成(注1)し、100キロ走行時のガソリン消費は2.9リットル、ハイブリッド走行と電気走行を組み合わせた総合航続距離は2,100キロを超えたとしている。BYDの公式発表によると、「DM 5.0」は主に次の3つの技術アーキテクチャーによって構成される。

1. 電気を主とするパワートレイン:高効率PHEVエンジンを搭載し、世界最高の熱効率を達成。EHS(注2)により、出力密度は70.28%向上、運転効率は92%を達成。また、PHEV専用のブレードバッテリーのエネルギー密度が15.9%向上した。
2. あらゆる気候に適応する包括的な熱管理システム:同システムにより、極端な天候下でも車両のエネルギー消費量を節約可能に(高温環境下では最大10%、低温環境下では最大8%を節約)。
3. 電動化とインテリジェンスを統合したE/E(電気・電子)アーキテクチャー(注3):機能と電力密度は18.3%向上し、VCU(電圧制御ユニット)とデュアルMCU(モーター制御ユニット)を統合することで演算能力は146%向上。

BYDが4月29日に発表した2024年第1四半期(1~3月)の業績報告によると、同期の営業収入は前年同期比4.0%増の1,249億4,400万元(約2兆7,488億円、1元=約22円)、純利益は同10.6%増の45億6,879万元だった。また、研究開発費は同四半期には同70.1%増の106億1,065万元、2023年通年では前年比2.1倍の395億7,495万元と顕著に増加している。なお、中国国家知識産権局の知的財産権検索サイトで「比亜迪」を検索ワードとして、専利(注4)の出願と登録状況を検索したところ、出願件数は3万3,645件、有効登録件数は2万13件だった(検索日:6月7日)。

(注1)なお、中国自動車大手・吉利汽車集団の徐東偉ブランドユーザーコミュニケーションセンター総経理は、BYDによる発表の翌29日に自身のブログ「微博(Weibo)」にコメントを掲載。同社のPHEVプラットフォーム「雷神」のエンジンが2023年に認証を取得しており、熱効率は46.1%を達成しているとした。

(注2)EHS(Electric Hybrid System)はBYDが自主開発した電気ハイブリッドシステム。

(注3)E/E(電気・電子)アーキテクチャーは、自動車に搭載されたECU(電子制御ユニット)やセンサー、アクチュエーターなどをつぐシステム構造。

(注4)「専利」とは、日本の特許(発明)、実用新案、意匠に当たる。

(陳貝蓓)

(中国)

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