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バーデン・ビュルテンベルク州のスタートアップが集結(ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月19日 10時45分

ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク(BW)州シュツットガルトで7月11日、スタートアップBWサミットが開催された。同州の経済・労働・観光省(以下、経済省)が隔年開催するこのイベントには、BW州のスタートアップ(SU)160社以上、オランダ、インド、ブラジル、ウクライナなどパートナー地域のSU約60社、経済省がSU育成を委託するアクセラレーター、ベンチャーキャピタル(VC)など3,000人以上が参加した。会場の1階はスタートアップの出展スペース、2階でSUや学生のコンペ優勝者の表彰、3階では投資家やコーポレートVCをスピーカーとする資金調達に関するカンファレンスが行われた。

BW州は2017年からSU支援予算を拡大。1,700万ユーロ以上を18のアクセラレーターに助成し、SUを支援している。支援を受けたSUは2021年以降だけでも2億1,000万ユーロの資金を調達、約2,900の新規雇用を創出した。開会式でビンフリード・クレッチマンBW州首相は「BW州ではGDPの6%が研究開発に投資され、経済成長を下支えしており、B2Bビジネスでは国内でも有数の強さを誇る。今日の起業家は明日のミッテルシュタント(注)であり、あらゆる業種のあらゆるフェーズの起業を支援する。モビリティーからライフサイエンス、AI(人工知能)や量子技術までカバーする支援体制を整備している」と述べた。

また、サミットでは今回で5回目となる「BW州AIチャンピオン」が表彰された。プレゼンターのニコル・ホフマイスター=クラウト経済・労働・観光相は「AI活用とソリューション開発がBW州の事業立地上の課題を解決し、より大きな価値創造の可能性が開けると確信している」と述べた。研究機関部門では、野生動物保護のためのインテリジェント飛行ロボットを開発するシュツットガルト大学のFRRグループが受賞。企業では、部品などの組み立て説明書の自動作成のアッセンブリオ、運搬用ロボットなどの制御システムのノード・ロボティクス、バイオメディカル画像解析生成プラットフォームのミラ・ビジョン・マイクロスコピー、製薬・ライフサイエンス分野の研究成果の図解作成のビジュアル・アブストラクトなどが表彰された。

写真 スタートアップの出展エリア(ジェトロ撮影)

スタートアップの出展エリア(ジェトロ撮影)

(注)ドイツ語の「ミッテルシュタント(Mittelstand)」は、一般的には「中小企業」と和訳されるが、ドイツ語圏の企業特色を示す言葉でもある。ミッテルシュタントの詳細はジェトロ調査レポート「ドイツにおける中小企業政策とケーススタディ」(2021年3月)参照。

(鷲澤純)

(ドイツ)

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