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ムハンマド・ユヌス氏がトップの暫定政権が発足、治安の安定が急務(バングラデシュ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月13日 14時35分

添付資料PDFファイル(413 KB)

バングラデシュでは、シェイク・ハシナ首相の辞任(2024年8月6日記事参照)を受け、8月8日夜にノーベル平和賞受賞者のムハンマド・ユヌス博士(注)が率いる暫定政権が発足した。ユヌス氏は首席顧問(Chief Advisor)という肩書きになる。暫定政権ではこのほか、16人が顧問(Advisor)に任命され、うち13人の担当分野について9日に発表された(添付資料表参照)。

16人の顧問の経歴は、学術関係者、元外交官、元中央銀行総裁、NGO理事、退役将校、弁護士など多岐にわたる。また、ハシナ政権を退陣に追い込んだ抗議運動を主導した学生コーディネーターからも2人が就任した。学生コーディネーターから選出された顧問の担当は、それぞれ郵便・電気通信・情報技術省と青少年・スポーツ省となる。

暫定政権は発足したものの、治安の安定が課題だ。ハシナ首相辞任後すぐに、民衆が警察署の放火や警察官を狙った襲撃が相次いだため、街からは警察官が身の安全を守るため一斉に姿を消した。また、警察官は労働環境の改善などを要請し、ストライキを実施しているため、警察官の配置が遅れている。そのため、現在は軍隊が治安維持を担っているが、中央銀行は安全性が担保できないことを理由として、8月11日から1週間、現金の引出し上限を各銀行口座につき20万タカ(約26万円、1タカ=約1.3円)に設定した。銀行側もATMの現金の補充が間に合わず、安全性も確保できないため、ATMを閉鎖する動きも出ている。

現状、学生ボランティアを中心として街の至る所で交通整理が行われており、混乱は見受けられないものの、暫定政権は一刻も早く秩序を回復させ、治安を安定させることが急務となっている。

写真 ハシナ首相辞任後、放火されたダッカの警察署の様子(ジェトロ撮影)

ハシナ首相辞任後、放火されたダッカの警察署の様子(ジェトロ撮影)

写真 ダッカで交通整理を行う学生ボランティア(ジェトロ撮影)

ダッカで交通整理を行う学生ボランティア(ジェトロ撮影)

(注)自ら設立したグラミン銀行で貧困層を対象とした無担保少額融資(マイクロファイナンス)事業を行い、2006年にノーベル平和賞を受賞。首席顧問就任までは、グラミングループ傘下の「ユヌスセンター」でソーシャルビジネスの拡大に取り組んでいた。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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