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メキシコ、6月に入り自国通貨ペソが対ドル10%超の下落(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 16時0分

添付資料PDFファイル(196 KB)

6月に入り、メキシコの自国通貨ペソ安が進行している(添付資料図参照)。6月2日に行われたメキシコ大統領選挙では、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長が大差で当選(2024年6月4日記事参照)。また、同日に行われた上下両院議員選挙および州知事選挙では、ともに与党連合が大勝となった(2024年6月5日記事参照)。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は、2024年9月から始まる総選挙後の新国会で与党連合が3分の2以上の議席を獲得し、一連の憲法改正などを実現することを目指してきた。これが現実味を帯びた中、為替市場はネガティブに動いた。

大統領選挙前の最後の取引となった5月31日時点の対ドル為替レート(インターバンクレート、48時間もの、終値)は1ドル=16.97ペソだった。選挙翌日の6月3日、終値は前日比0.74ペソのドル高ペソ安となる17.71ペソまで下落。6月10日にクラウディア・シェインバウム次期大統領は、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領と選挙後としては初の会合の場を持った。2024年9月から始まる総選挙後の新国会での憲法改正を伴う司法改革案提出に向けて、広く議論を開始することで合意した、と会見で述べた。翌11日の終値は1ドル=18.49ペソとなった。同日には、「司法改革を恐れるべきでない」「メキシコへの投資は問題ない」と投資家向けのメッセージも発信したが、翌12日の終値は1ドル=18.76ペソとなり、6月に入ってから実に1.79ペソ(10.5%)の下落になった。

利下げは当面様子見か

米国金融大手シティグループが運営するメキシコのシティバナメックス銀行が発表したアンケート(6月5日付)によれば、アナリスト33人のうち20人が、6月27日のメキシコ中央銀行金融政策決定会合において、銀行間翌日物金利の誘導水準(政策金利)を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げ、10.75%になると予想していた。加えて、米墨間の実質金利差がペソ高要因の1つでもあったが、米国連邦準備制度理事会(FRB)は6月12日、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を現在の5.25~5.50%に据え置くことを決定し、利下げには向かわなかった。現在の急激なペソ安を助長するようなタイミングでの利下げは、メキシコ中銀としても取りにくいだろう。

(中島伸浩)

(メキシコ)

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