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在欧日系企業、8割が市場シェア増加・横ばいと回答、競争環境は比較的穏やか(欧州)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月25日 1時55分

ジェトロが12月19日に発表した「2024年度 海外進出日系企業実態調査(欧州編)」(注、2024年12月19日記事参照)によると、競争環境の変化に関して、回答企業の80%以上が市場シェアは2019年比で増加・横ばいと回答し(増加40.5%、横ばい43.9%)、ここ5年間の変化は比較的穏やかという状況が示された。競合相手の数は、欧州全体で58.8%が横ばいと回答した。

進出先で1番の競争相手について聞いたところ、欧州では「EU域内企業」と回答した企業が最多(61.1%)だった。他地域と比較すると、中国北アジアに次いで地場企業を1番の競争相手とする割合が高い一方、日本企業を1番の競争相手としたのは11.5%と、比較的低い結果が示された。国別では、ポルトガルで半数が中国企業を選択し、ルーマニアでは33.3%、ポーランド、スペイン、フィンランドでは25.0%が中国企業を選択するなど、欧州各国で中国企業の選択率は比較的高い結果となった。

1番の競争相手として選んだ企業が最大の競争相手と考える理由については、「コスト競争力」(60.8%)、「ブランド・知名度」(49.5%)、「販売ネットワーク」(37.5%)が上位に挙がった。他地域と比較すると、「ブランド・知名度」と回答した企業の割合は欧州が最も高い結果となった。

日系企業が現地での競争で取り組んでいる対策としては、「営業・広報の強化」が41.8%と最多回答になった。特に非製造業の回答割合が高く、48.6%であった。次いで「製品・サービスの開発」(36.6%)、コスト削減(33.9%)が上位に挙がった。「製品・サービスの開発」の回答割合は製造業が高い(43.0%)。コスト削減は、鉄鋼、輸送用機器部品、建設などの業種における回答割合が高かった。

競争環境についての自由記述では、環境や貿易関連規制に関する懸念の声が多く上がった。環境関連規制により、先行き不透明感が増したり、競争環境の魅力度が低下したりしているとのコメントも得られた。さらに、コスト面に苦慮する企業も多く、過去数年のインフレ率上昇などによる人件費の高騰や不安定な世界情勢に伴う地政学的リスクに影響を受けていることが明らかになった。

(注)海外進出日系企業実態調査(欧州編)は8月27日~9月19日に実施し、西欧14カ国、中・東欧9カ国の日系企業1,324社を対象とした。うち772社から有効回答を得た(有効回答率58.3%)。西欧はドイツ、英国、オランダ、フランス、ベルギー、スペイン、フィンランド、オーストリア、アイルランド、イタリア、スイス、ポルトガル、スウェーデン、デンマークの14カ国、中・東欧はチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロベニア、ブルガリア、スロバキア、モンテネグロの9カ国。

(近藤慶太郎)

(欧州)

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