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セミコン東南アジア2024で国家半導体戦略発表、産業高度化に250億リンギ(マレーシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 1時15分

マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、5月28日から30日にかけて行われた「セミコン東南アジア2024」(2024年6月11日記事参照)の開会式で、マレーシア半導体産業の高度化を促す国家半導体戦略(NSS)を公表した。250億リンギ(約8,250億円、1リンギ=約33円)を投じ、回路設計や、後工程の組み立ておよびテスト受託(OSAT、注)を担う企業の育成に注力する〔首相スピーチ(首相府)〕。NSSは、「共通の未来に向けた技術の橋渡し」をスローガンに、3段階で実施する。

第1段階「基盤整備」では、半導体産業の既存能力を活用し、OSATの近代化を支援するとともに、先端パッケージングへの移行を進める。回路設計や先端パッケージング、製造装置を中心とした国内投資、および製造装置とウエハ製造に重きを置いた対内直接投資で合わせて5,000億リンギの投資を誘致する。第2段階「フロンティアへの移行」では、回路設計と先端パッケージングにおいて売上高10億~47億リンギ規模の国内企業を10社、半導体関連企業では売上高10億リンギ規模の企業を100社育成したい考えだ。第3段階「フロンティアにおけるイノベーション」では、世界レベルの国内メーカーを育成し、米国のアップルや中国の華為技術(ファーウェイ)、同レノボといった先端企業向けの製品を製造することを目指す。NSSで掲げる目標を実現するため、多国籍企業や教育機関とも連携し、6万人の高度技術者を育成する。

アンワル首相は、米中対立の激化など世界における地政学的リスクの高まりを受け、マレーシアの等距離外交の利点を強調。「より安全で強靭(きょうじん)な半導体サプライチェーンを構築するために、マレーシアを最も中立的で偏りのない半導体製造地として提案する」と述べ、海外投資を積極的に誘致する考えを示した。インセンティブも含めたNSSの詳細は、これを主導する投資貿易産業省(MITI)が追って発表する見通し。

(注)「Outsourced Semiconductor Assembly and Test」の略で、半導体の組み立てやテストといったいわゆる半導体製造の「後工程」を専門とする企業。

(吾郷伊都子、エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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