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2024/2025年度予算案、減税など生活費負担軽減策を発表(ニュージーランド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 0時20分

ニュージーランドのニコラ・ウィリス財務相は5月30日、2024/2025年度(2024年7月~2025年6月)予算案を発表した。3党連立政権発足後初の予算案で、国内経済の立て直し、生活費負担の軽減、医療・教育サービスの充実などに重点を置くとともに、財政健全化と債務削減も目指すとした。ニュージーランド経済は、2023年後半にかけて2四半期連続のマイナス成長を記録し(2024年4月9日記事参照)低迷が続く中、インフレは長期化し、新型コロナウイルス対策のための財政支出の増加により2020年から財政赤字を記録している。

予算案では、生活費負担軽減策として、選挙公約でも掲げていた低中所得者や子育て世帯を対象とした個人所得税の減税策〔5年間で約147億ニュージーランド・ドル(約1兆4,112億円、NZドル、1NZドル=約96円)を拠出〕を行う。医療・教育サービスの充実に関しては、救急部門、プライマリーケア(初期診療)、医薬品の確保や公衆衛生などの医療サービスに5年間で約80億NZドルを拠出する。また、学校の新設や既存の学校の維持・改修、幼児教育などに5年間で約40億NZドルを拠出する。

一方、治安情勢の悪化対策として、警察活動支援などに5年間で約19億NZドルを拠出する。また、インフラ整備では、国内の重要な道路の建設を加速するための国土輸送基金(National Land Transport Fund)(41億NZドル)の設置、インフラ投資を呼び込む国家インフラ庁の設立(500万NZドル)の立ち上げなどが盛り込まれた。気候変動対策については、既に発表済みの施策である、電気自動車(EV)の公共充電インフラの整備、低排出重量車〔トラック、バス(公共交通機関を除く)、大型バンなど〕向けの補助金制度、地方自治体のEVバス(公共交通機関)の購入支援策などの施策(総額26億NZドル)について、新年度予算を投じて継続していくと発表した。

財務省は、今後の経済見通し(実質GDP成長率)について、2024/2025年度に前年度比1.7%、2025/2026年度には3.2%へ上昇すると予測した。また、2024/2025年度の失業率は5.2%に上昇、インフレ率は2.2%へ低下すると予測した。なお、財政見通しについては、2024/2025年度に赤字額がさらに拡大するが、2027/2028年度に黒字化するとの見通しを示した。

(青島春枝、山崎美樹)

(ニュージーランド)

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