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ブラジル紙・パルプ業界、2028年までに1,050億レアルの投資計画発表(ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月3日 0時25分

ブラジル植林木産業連合会(Ibá)は8月21日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領との面談で、紙・パルプ業界が2028年までに1,050億レアル(約2兆7,300億円、1レアル=約26円)の国内投資をする計画を発表した。Ibáのパウロ・ハルトゥング会長によると、投資額は工場建設に充てられる。完了した計画を含み、主な投資案件は次のとおり。

1. チリのアラウコ社:投資額は250億レアル。マトグロッソ・ド・スル州イノセンシア市で同社は2028年にブラジル初となるパルプ工場の操業開始を目指す予定。
2. チリのCMPC社:投資額は250億レアル。リオ・グランデ・ド・スル州バラ・ド・リベイロ市でパルプ生産工場と港湾ターミナルを建設予定。
3. ブラジルのエルドラド・ブラジル社:投資額:250億レアル。マトグロッソ・ド・スル州トレス・ラゴアス市で生産ライン拡充と輸送用鉄道支線建設を予定。
4. ブラジルのスザノ社:投資額は222憶レアル。マトグロッソ・ド・スル州リバス・ド・リオ・パルド市でパルプ生産工場と輸送用の物流インフラに投資。年間255万トンのユーカリパルプの生産能力を持ち、単一生産ラインとして世界最大となる工場が7月21日に操業を開始した。
5. シンガポールのロイヤル・ゴールデン・イーグル・グループのブラセル社:投資額は50億レアル。サンパウロ州レンソイス・パウリスタ市に新たに建設されたティッシュペーパー工場が2024年4月30日に操業を開始した。
6. ブラジルのクラビン社:投資額は16億レアル(約416億円)。サンパウロ州ピラシカーバ市で段ボール包装材工場を2024年4月22日に操業開始。

国連食糧農業機関(FAO)によると、ブラジルは2022年に2,564万トンの木材パルプを生産し、米国(4,779万トン)に次いで世界2位だった。輸出量ではブラジルが1,980万トンと、2位のカナダ(819万トン)の倍以上の量を記録し、1位となっている。また、Ibáのデータによると、紙・パルプ産業は2023年に103億ドルの輸出額を達成し、これは同年のブラジルの総輸出額の3%に相当する。

Ibáの最新年次報告書によると、新型コロナウイルス禍の影響で多数の商品のオンライン購入が増加し、梱包(こんぽう)材の採用が増え、紙・パルプへの需要が高まった。また、ハルトゥング会長は7月30日付の現地紙「バロール」のインタビューで、近年では中国やインドからの需要が急増し、「需要の拡大に対応するために膨大な投資が行われている」と説明した(注)。

(注)中国からの需要増加の理由について、ブラジルを代表するシンクタンクのジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)のエコノミスト、リビオ・リベイロ氏は現地紙「バロール」(2024年1月23日付)のインタビューで「中国の都市化が進む中で(紙、包装材など)パルプ関連のグッズへの需要も増えていく。中国がブラジル産パルプを購入するようになったのは、これが押し上げ要因だった」と説明している。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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