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COMESA、EAC、SADCの拡大自由貿易圏(TFTA)が発効(アフリカ、ケニア、南アフリカ共和国、エジプト)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月6日 1時0分

COMESA(東南部アフリカ市場共同体)、EAC(東アフリカ共同体)、SADC(南部アフリカ開発共同体)は、3つの地域経済共同体が目指す拡大自由貿易圏(TFTA:Tripartite Free Trade Agreement)が7月25日付で発効したことを発表した。

3つの地域経済共同体は2011年1月に3機関でMOUを締結して以来、13年近く交渉を続けていた。TFTAは、市場統合〔自由貿易協定(FTA)およびビジネスパーソンの移動にかかる協定〕、インフラ開発(域内の連結性の向上とビジネスコスト削減)、産業開発(規制・法制度の改善などの環境整備、付加価値創出、産業多角化、生産性・競争性向上など)の3つの柱で構成される。

数字上では、3つの地域経済共同体を合わせると、アフリカ54カ国の半数以上の29カ国が参加する巨大経済圏の誕生となる(注1)。しかし、実態としては、7月末時点で批准書を寄託済みなのは14カ国のみで、14カ国についても、EACのベロニカ・ンドゥバ事務局長によると、原産地規則はほぼ合意に至っているものの、譲許表は出そろっていないもようだ。実際に企業が活用できるようになるにはしばらくかかりそうだ。

SADCのエリアス・ムペディ・マホシ事務局長は残るメンバー国にも参加を働きかけていくとしているが、EAC、COMESA、SADCには、いずれもそれぞれにFTA不参加の国もあり(注2)、今後、参加国がどの程度広がるのかは不透明だ。アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)と同様に(2024年3月7日記事参照)、先行する国々が関税引き下げなど貿易自由化を進めつつ、時間をかけて広がっていくことが予想される。

(注1)TFTA参加国(全29カ国、ただし、7月末時点で批准書の寄託済みは14カ国のみ)

寄託済み(14カ国):アンゴラ、ボツワナ、ブルンジ、エジプト、エスワティニ、ケニア、レソト、マラウイ、ナミビア、ルワンダ、南アフリカ共和国、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ
未締結(15カ国):タンザニア、南スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリア、コモロ、ジブチ、エリトリア、エチオピア、リビア、マダガスカル、モーリシャス、セーシェル、スーダン、チュニジア、モザンビーク

(注2)EACは8カ国のうち、ソマリア、南スーダン、コンゴ民主共和国(DRC)はいまだFTA参加準備中。COMESAは21カ国のうち、DRC、エリトリア、エスワティニ、エチオピア、ソマリアの5カ国がFTA未参加。SADCは16カ国のうち、コンゴ民主共和国、アンゴラ、コモロの3カ国がFTA未参加。

(佐藤丈治)

(アフリカ、ケニア、南アフリカ共和国、エジプト)

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