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1~4月の設備製造業の利益総額は16.3%増(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 13時0分

中国国家統計局は5月27日、2024年1~4月の一定規模以上の工業企業の利益総額が、前年同期比4.3%増の2兆947億元(約45兆2,455億円、1元=約21.6円)だったと発表した。伸び率は前期(1~3月)から横ばいだった。なお、4月単月では、前年同月比4.0%増と、3月の同3.5%減から増加に転じた。国家統計局は「1~4月期には穏やかな回復がみられたが、国内における有効な需要は依然と不足しており、外部環境は依然として厳しい」「工業企業の利益回復のための基盤を引き続き強化する必要がある」と総括した。

1~4月の同利益総額について業界別にみると、全体の68.9%を占める製造業は前年同期比8.0%増の1兆4,440億元となった。

製造業のうち、設備製造業の利益総額は前年同期比16.3%増と、一定規模以上の工業企業全体の伸び率を12.0ポイント上回った。国家統計局は、設備製造業が工業企業全体の利益増加において重要な下支えの役割を果たしていると指摘。製造業のハイエンド化、スマート化、グリーン化が進展し、「新たな質の生産力」(注1)の育成が進んでいることに加え、大規模設備の更新を推進する政策(注2)の効果が次第に表れているとの見方を示した。

このほか、製造業の主要業種別にみると、コンピュータ・通信・その他電子設備(前年同期比75.8%増の1,442億元)や、自動車(同29.0%増の1,428億元)などで増加が目立った。前者では、スマートフォン、集積回路、液晶パネルなどの製品需要が伸び、生産量の増加が寄与した。

また、電力・熱・ガス・水の生産・供給業は前年同期比36.9%増の2,583億元となった。うち、電力業は、発電用石炭のコスト低下と発電量の増加が寄与したとして、同44.1%増の2,197億元だった。他方、採掘業は、石炭価格の下落と生産量の減少が響いたとして、同18.6%減の3,924億元だった。

国務院直属の中国光大集団傘下の金融機関である光大銀行の周茂華マクロ研究員は、「工業部門の経営状況は引き続き改善が見込まれる」とし、その要因として(1)国内市場における需要が回復傾向を維持しており、物価も次第に改善(上昇)していること、(2)国内の減税・料金引き下げ措置、設備更新と消費財の買い替え推進などの支援策が強化されていること、(3)国内製造業の積極的な転換・高度化により、ハイテク設備製造業などの市場需給が旺盛であること、の3点を挙げた(「証券日報」2024年5月28日)。

(注1)2024年3月5日に行われた第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で、李強首相は政府活動報告の際に、2024年の重点業務の1つとして「現代化産業体系の構築を大いに推し進め、新たな質の生産力の発展を加速させる」と言及した(2024年3月6日記事参照)。

(注2)国務院は3月13日に「大規模設備の更新と消費財の買い替え推進行動プランに関する通知」(国発[2024]7号)を発表(2024年3月22日記事参照)。同推進行動プランを受け、各地方政府が現地の状況を踏まえ、具体的な数値目標や方針などを相次いで打ち出している(ビジネス短信特集「中国の設備更新と消費財買い替え推進政策の最新動向」参照)。

(小林伶)

(中国)

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