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鹿児島県産養殖ウナギのかば焼き、EU認証取得で欧州販路開拓を目指す(鹿児島、EU、フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月10日 1時20分

農林水産省が公開した欧州向け水産食品の「認定施設(農水省認定)リスト」によると、鹿児島県志布志市に養鰻事業所を構える山田水産の養鰻場(ようまんじょう)と加工施設が2024年8月21日にEU HACCP(注1)の施設認定を取得した。ウナギのかば焼きでは国内初の認定施設となる。

日本全国の養殖ウナギ生産量1万8,294トンのうち、鹿児島県は全体の42.9%を占める7,852トンと、日本一の生産量を誇る産地だ(農林水産省「令和5年漁業・養殖業生産統計」)。

山田水産は2022年11月から欧州への養殖ウナギ輸出に向けて、養鰻場(注2)と加工施設のEU HACCP施設認定取得の準備を進めていた。

写真 EU HACCP認定を取得した養鰻場と加工施設(山田水産提供)

EU HACCP認定を取得した養鰻場と加工施設(山田水産提供)

10月に行ったインタビューで、山田水産の養鰻事業担当者は施設登録の手続きなどの当時を振り返り、「作成を要する添付書類が多く、通常業務をしながらの準備は難しかった。また、工場の完工から時間が経っており、製造工程で使用する機械の説明書を集めることや、実際に即した工場内の給水配管図をつくることに苦労した。EU HACCP取得に向けて動き出し、認定取得を得るまでの1年9カ月という長期間、何度も見直しがあり、くじけそうになった時もあったが、高い目標の達成に向けて皆で頑張った」と語る。

山田水産は10月19~23日にフランス・パリで開催される欧州最大級の総合食品見本市「SIAL Paris 2024」のジャパンパビリオンへの出展を予定している。同パビリオンはジェトロが設置する。

担当者は「ウナギのかば焼きとしては、弊社の商品が日本初のEU HACCP認定を取得し、大変うれしく思うと同時に、欧州の人々や欧州市場がどのような反応をするか、今からわくわくしている。全くの未知の世界なので、簡単にいかないと思うが、Made in Japanのウナギのかば焼きで、日本のものづくりのすごさを伝え、山田水産の愛情品質のウナギを欧州の多くの方々に食べてもらいたい」と意気込みを語った。

今回の「SIAL Paris 2024」出展を契機に、鹿児島県産養殖ウナギの欧州への初輸出・販路拡大を目指す。

写真 ウナギのかば焼き製造の様子(山田水産提供)

ウナギのかば焼き製造の様子(山田水産提供)

(注1)HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Pointで、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。EUに水産品を含む動物性食品を輸出するには、最終食品に加工するまでの全ての加工施設などが輸出元国の政府によるEU HACCPに基づく認定を受ける必要がある。詳細はジェトロの調査レポート「動物性原材料を含む食品のEU向け輸出に関する規制について」を参照。

(注2)養鰻場のEU HACCP認定は、2024年6月25日取得済み(農林水産省「EU向け輸出水産食品取扱施設(養殖場)」)。

(寺園和斗)

(鹿児島、EU、フランス)

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