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習国家主席とメローニ首相が会談、EVやAIなどでの協力を希望(中国、イタリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月8日 0時0分

中国の習近平国家主席は7月29日、北京市でイタリアのジョルジャ・メローニ首相と会談を行った。メローニ首相は今回が就任後初の訪中となった。

習国家主席は経済・貿易・投資、工業、科学技術イノベーション、第三国市場といった従来の協力をレベルアップするとともに、電気自動車(EV)、人工知能(AI)などの新分野での協力推進を希望した。また、中国はイタリア企業の投資を歓迎し、さらに多くのイタリア製品を輸入するとした。その上で、イタリアは中国企業に対して公平、透明、安全、非差別的なビジネス環境を提供するように求めた。

中国の外交部によれば、メローニ首相は、イタリアは中国の国際的な地位と役割を重視しているとした。また、イタリアは「一つの中国」政策を堅持するとし、「デカップリング」と保護主義に反対し、EUと中国の関係発展に向けた前向きな役割を担うとした。

会談後、「包括的戦略的パートナーシップの強化に関する行動計画(2024~2027年)」が発表された。計画では、多角的な貿易体制の維持、市場参入、持続的成長、知的財産権、電子商取引(EC)、第三国市場協力などでの協力が盛り込まれた。また、双方の現地商工会や投資促進機関の協力強化、観光業の振興に向けた両国間の直行便の増加、麻薬取締、金融犯罪、不法移民などの取り締まり協力にも合意した。

7月30日付の「環球時報」は、近年の両国関係は波乱があったとしながら、今回の訪問により政治的信頼が深まり、新たな出発点に立ったと評価した。

7月31日付の「中国新聞週刊」は、就任当初は対中関係に消極的だったメローニ首相が態度を変えたのは(1)イタリア経済が中国市場を必要としている、(2)極右政府のリーダーとしてEU内で排斥されている、(3)米国傾斜による経済的な利益を得られていないという要因をあげた。

8月2日付の「中国青年報」は、中国社会科学院欧州研究所の孫彦紅研究員の見解として、欧州の中国に対する「協力パートナー、競争者、体制的ライバル」という3重の位置づけは中欧関係を不確実なものにしているとし、中国はイタリアとの関係強化を通じ欧州との協力を固めることを期待しているとした。

メローニ首相は7月28日には李強首相と会談し、「中国イタリア企業家委員会第7回会議」に参加した。同会議には両国企業から約150人が参加した。

(河野円洋)

(中国、イタリア)

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