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オーディオビジュアル産業の新たな業界団体「LaFA」設立(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月21日 14時40分

フランスの放送グループや著作権管理団体、プロデューサー協会などは11月8日、オーディオビジュアル業界が直面する業界構造の劇的な変化に対応し、健全なビジネスモデルの確保を目指して、新しい業界団体「LaFA」(La Filière Audiovisuelle)を設立した

非営利団体として設立されたLaFAは、10の公共・民間放送企業、関連団体を構成員(注)とし、民放テレビ局TF1の最高経営責任者(CEO)のロドルフ・ベルメール氏が2年間の任期で議長を務める。

フランスで30万人が従事するオーディオビジュアル業界は、ネットコンテンツの台頭やインターネット回線に接続されたコネクテッドTVの普及により、既存の地上波放送以外の手段でも放送コンテンツの視聴が可能になるなど、ビジネスモデルの変革を迫られている。LaFAはクリエーティブな作品の多様性やイノベーションの確保などを目的として、公共放送の独立性の維持やその責任を果たすために必要な公的資金確保の重要性を指摘した。また、市場の弱体化と(SNSやストリーミングプラットフォームなどの)国際的なプレーヤーの台頭を背景に、広告に対する規制を取り除き、無料で視聴できるデジタル地上放送における民間セクターのプレーヤーの発展を促すことも重視している。

これらの目的を達成するため、CNC(フランス国立映画映像センター)への予算上の独立性と任務の保証、フリーランスの演者への支払いシステムの確立、放送、映画、音楽業界に対する税額控除制度の維持、知的財産権を尊重する倫理的で責任ある生成型人工知能(GenAI)の推進、欧州における著作権の尊重とテレビ放送局との公平な扱いを保証するデジタルプラットフォームの規制的な枠組みの提唱を掲げた。具体的な活動の第一歩として、フランスのオーディオビジュアル産業の経済的な重要性と最初の提言を含む報告書を2025年春に発表する予定だ。

フランスでは2022年8月から、公共放送負担税が廃止され、暫定的に付加価値税の一部が公共放送を支える代替的な財源となっている。当該措置は2年間とされ、2024年末までに恒久化あるいは別の仕組みへの移行を決める必要があり、国民議会は11月19日、公共放送の財政に関する法律案の審議を開始した。LaFAの設立が当該法案の審議に与える影響が注目される。

(注)構成員は次のとおり。

放送グループ:France TélévisionsM6TF1
著作権管理団体:ADAMI(Organisme de gestion collective des droits des artistes-interprètes)、SACD(Société des Auteurs et Compositeurs Dramatiques)、SACEM(Société des auteurs, compositeurs et éditeurs de musique)、SCAM(Société civile des auteurs multimédia)
プロデューサー協会:ANIMFRANCESPI(Syndicat des Producteurs Indépendants)、USPA(Union Syndicale de la Production Audiovisuelle)

(𠮷澤和樹、キャロリーヌ・アルテュス)

(フランス)

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