ブラジルで2人目の日本食普及親善大使を任命(ブラジル、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月22日 0時25分
ブラジルの在サンパウロ日本総領事館で5月13日、日本食普及親善大使(注1)の任命状授与式が開催され、ブラジルで2人目の親善大使として飯田アレシャンドレ氏が任命された。
任命式のあいさつで、飯田氏は、これまで20年以上日本酒の普及のために取り組んできた苦労話も交えつつ、「ブラジルにおける日本食、日本酒の人気は高まりを見せている。多くの人々が、日本食、日本酒に関心を持つと、それだけ質問や疑問も出てくる。そうしたときに、正しい情報を適切に伝えていくことが、日本食、日本酒の人気をさらに高めていくことにつながる。日本食普及親善大使として役割を果たしていきたい」と意気込みを語った。
飯田氏は、弁当や和食を提供する家庭に生まれ、幼いころから日本料理や食材になじみがあった。同氏は、ブラジルで日本酒専門店「Adega de Sake」を営むかたわら、2011年に唎酒師(ききさけし)の資格を取得し、2015年には、全国の若手蔵元で組織する日本酒造青年協議会より、南米初の酒サムライ(注2)に任命された。また、一般社団法人Japan Sake Association(JSA、注3)の理事でもある同氏は、サンパウロのみならずリオデジャネイロやポルトアレグレも含めてサケエキスパート養成講座を開講し、ブラジル国内で日本酒の正しい知識を有する人材を数多く輩出している。こうした中、同氏は、日本政府やジェトロ、国税庁などの依頼を受け、日本酒をPRする仕事も開始した。日本酒に欠かせない和食との調和を意識したペアリングについて説明する機会も増え、和食を説明する実績を重ねてきたことなども評価され、今回、日本食普及親善大使に任命された。
任命式には、初代日本食親善大使で日本食の料理人である白石テルマ氏も出席し、祝辞を述べた。日本食のさらなる普及に向けて、日本食職普及親善大使の活躍が期待される。
清水総領事から任命状を授与(左写真)(ジェトロ撮影)
(注1)本制度は、農林水産省が、海外への日本食・食文化や日本の農林水産物・食品のさらなる魅力発信を通じて日本の農林水産物・食品の輸出拡大につなげていくため、海外を活動拠点とする日本料理関係者などに任命する制度。任命された親善大使は、プロの視点に立って海外の日本料理関係者らへ助言することなど、国内外への日本食・食文化などの普及、農林水産省等が実施する事業などへの協力、さらに各種メディアでの情報発信する役割を担う。
(注2)日本文化と日本酒の素晴らしさを国内外に広めることを目的として、2005年に結成された。日本酒造青年協議会に本部を置く。
(注3)世界中で誰もが日本酒の知識を高めるよう、日本酒エキスパートの称号を持つ人材を育成するために日本酒アカデミーを創設し、日本酒の普及に努めている協会。
(川口エリーナ)
(ブラジル、日本)
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