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北マルマラ高速道路計画に欧州復興開発銀行が2億4,000万ユーロ融資(トルコ、欧州)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月30日 1時10分

欧州復興開発銀行(EBRD)は10月22日、トルコ・イスタンブールの主要道路インフラとなる北マルマラ高速道路(NMM)プロジェクトのため、ナッカシュ道路投資運営会社に2億4,000万ユーロの融資提供することを発表した。内訳は、EBRDが自己勘定から拠出するAローン1億9,500万ユーロと、中国銀行とのシンジケートローンのBローン4,500万ユーロで構成される。EBRDの発表によると、今回対象となるのは、同プロジェクトの最終区間のBOT事業(注)で、トルコのルネサンス・ホールディングが主導し、韓国のサムスン物産と、韓国海外インフラ都市開発公社(KIND)、KIAMCO PISインフラ特別資産投資信託によるコンソーシアム支援事業になる予定だ。

トルコの経済活動や人口はイスタンブールに集約しており、今回のプロジェクトが完成すると、イスタンブールの交通渋滞の緩和や、イスタンブールの東西、アジア側とヨーロッパ側を結ぶ既存道区間と連結して、さらなる広域道路ネットワークの構築が実現する。

また、既存のNMMには、ヤウズ・スルタン・セリム橋(3ボスポラス橋)が含まれており、この橋を通過する40億ドル規模の鉄道プロジェクトが2025年以降新たに始動する計画で、世界銀行が同計画に30億ドル規模の融資を検討しているという報道もある。

トルコでは鉄道と道路などの物流プロジェクトが計画されており、政府は、イラクからロンドンまで道路と鉄道による欧州各国へのひとつなぎの輸送を目指す、イラク南部の港とトルコ、欧州を結ぶ「開発道路プロジェクト」を進めており、今後も国内の鉄道や道路インフラの拡大、イラクやその他の周辺国との協議を推し進めていくもようだ。なお、10月18日にはトルコ初の民間運営として、イスタンブールとブダペスト間の国際貨物列車の運行が開始した

(注)BOT(Build-Operate-Transfer)方式:民間が施設を建設・維持管理・運営し、契約期間終了後に公共部門に所有権を移転する方式。

(井口南)

(トルコ、欧州)

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