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バイデン米政権、ローグバレーマイクロデバイシスに670万ドルの助成発表、CHIPSプラス法で12社目(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月2日 11時30分

米国商務省は7月1日、米国の微小電子機械システム(MEMS)などを製造するローグバレーマイクロデバイシス(RVM)に対して、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて最大670万ドルを助成することで、同社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。

2022年8月に成立したCHIPSプラス法は、米国半導体産業の振興を目的に、半導体製造施設の建設や拡張などを行う企業に対して、390億ドルの助成と25%の投資税額控除を行うほか、研究開発を行う企業に110億ドルの助成などを規定している。CHIPSプラス法に基づく助成金拠出の発表は今回で12社目で(注1)、RVMのフロリダ州中央部東海岸に位置するパームベイにある、MEMSおよびセンサーのファウンドリー施設の建設プロジェクトを助成対象としている。今回のプロジェクトにより、RVMの製造能力はほぼ3倍に引き上げられると見積もられている。

RVMは2003年にオレゴン州で設立され、防衛産業やバイオ医学産業にとって重要な多品種少量生産ウエハーとMEMSのファウンドリーサービスを専門としている。同社は2023年、フロリダ州パームベイの5万平方フィート(約4,645平方メートル)の商業ビルを取得し、同社にとって2つ目となる微細加工施設建設を発表、2025年の生産開始を目指している。フロリダ州中央部には航空宇宙や防衛産業向けに半導体産業が集積しており(2024年4月10日付地域・分析レポート参照)、RVMの創業者のジェシカ・ゴメス最高経営責任者(CEO)も「フロリダ州のスペース・コースト(注2)は、科学技術イノベーションの中心地であり、当社にとって理想的な場所」と述べている。

商務省のジーナ・レモンド長官は「バイデン大統領のCHIPSプログラムにより、世界中で需要が増加しているMEMSに関する技術を、米国を拠点とする企業に対し安定的に確保・供給することに取り組んでいる」と述べた。また、同社のゴメスCEOは「オレゴン州西海岸にあるファウンドリーからフロリダ州スペース・コーストの新拠点へと拡張を進め、間もなく300ミリメートルに対応する能力を備えた業界初のMEMS製造に特化したピュア・プレイ・ファウンドリー(注3)となる」と述べた。

(注1)直近の11社目はインテグリス(2024年7月1日記事参照)。

(注2)ケネディ宇宙センターやケープカナベラル宇宙軍基地などが立地する、フロリダ州中央部の東海岸エリア。

(注3)Pure-play foundry。他社との契約の下で製造を行い、自社ブランドで製品を提供しないのが特徴。台湾のTSMC(台湾積体電路製造)のビジネスモデルでもある。

(檀野浩規)

(米国)

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