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JIEPA改正議定書、譲許の詳細が明らかに(インドネシア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月10日 0時0分

添付資料PDFファイル(379 KB)

日本の外務省は8月8日、日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA)改正議定書の署名について発表し、改正議定書の和文、英文を公表した。これまでは大筋合意の内容が公表され、自動車および鉄鋼・鉄鋼製品計19品目の関税撤廃・引き下げなどの概要情報のみが発表されていたが、改正議定書が日本の外務省に8月8日付けで掲載されたことに伴い、具体的な改正内容が明らかとなった。インドネシア商業省も同日、JIEPA改正議定書の署名について発表した(2024年8月20日記事参照)。

外務省が公表している、貿易面に関するインドネシアへの市場アクセスの改善としては、次の3点があり、その概要は協定書英文のB10条で定められている(添付資料参照)。

1. 自動車および鉄鋼・鉄鋼製品の関税撤廃・引き下げ
2. 鉄鋼などの特定用途免税制度(USDFS)の改善など
3. 日本産短粒種米の低関税輸入枠の設定〔枠内税率は1キログラム当たり450ルピア(約4.2円、1ルピア=約0.0094円)〕

1.の自動車および鉄鋼・鉄鋼製品などの関税撤廃・引き下げでは、HSコード第11類、72類、73類、87類から19の品目が関税の段階的な引き下げや撤廃が行われている(添付資料参照)。

2.鉄鋼などの特定用途免税制度(USDFS)の改善としては、HSコード第72類の9品目に対し、特定用途免税の要件を満たさない場合の救済措置として、前年度輸入総量の65%までを条件に、関税率5.25%の適用を認めるよう改正された。これまでは特定用途免税制度の要件を満たさない場合は、最恵国税率15%の適用のみが可能だったが、一部の品目に対するUSDFSの運用が緩和されたかたちだ。

3.日本産短粒種米の低関税輸入枠として、HSコード第10類の玄米、精米のうち3品目に対し、年間8,500トンの輸入枠が設定された。インドネシア統計庁(BPS)が公開している統計情報によれば、これらの3品目合計の日本からの輸入実績は2023年で61トン(2022年:56トン、2021年:230トン)となっている。

協定の改正時期は明らかとされておらず、上記の改正事項を含む国内法の整備も必要となることから、具体的な実行には時間を要するとみられる。今後発表される情報に注目していく必要がある。

(中村一平)

(インドネシア、日本)

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