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メローニ・イタリア首相、トランプ米大統領就任式に参加、欧州首脳で唯一(イタリア、米国、欧州)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月23日 16時20分

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は1月20日、米国の首都ワシントンでのドナルド・トランプ新大統領の就任式に参加した。欧州の首脳で唯一の招待者で、報道では、就任式前に短時間の2国間会談も行ったとされている。メローニ首相は自身のX(旧Twitter)で、イタリアと米国の協力関係を重視する意向とともに、「イタリアは常に、米国と欧州の対話を強化することに尽力する。欧州域内の安定と成長にとって不可欠なものだ」と述べた。

メローニ首相はトランプ大統領が選挙に勝利した後、2024年11月6日にいち早く電話会談を実現させた(2024年11月14日記事参照)ほか、12月8日にトランプ氏がパリ・ノートルダム寺院の再開記念式典に参加した際にも、2国間会談を行っている。同会談後にトランプ氏がメローニ首相について、「非常にエネルギッシュな人だ」と称賛したことも話題となった。また、就任式前の1月5日にも、トランプ氏の私邸「マール・ア・ラーゴ」を訪問している。

蜜月ぶりがたびたび発信される中、報道各紙でも、メローニ首相がEUと米国の架け橋として中心的存在になるのではとの期待感が高まっている。就任式参加について、イタリア政界からは、グイド・クロゼット国防相が「イタリアは最前列にいるわけではない。メローニ首相が最前列へと引き上げたのだ」と評価し、マッテオ・レンツィ元首相は「メローニ首相は米国と欧州の架け橋の筆頭となる目標を掲げた。激動が予想される4年間、イタリアと欧州が傍観者ではなく、役割を果たすことを期待する」とコメントした。

対米貿易黒字は欧州3位、米国の批判を回避できる安全圏とはいえず

イタリアの調査会社の国際政治研究所(ISPI)のレポートによると、イタリアの対米貿易黒字は2022年から2024年の平均で欧州3位とされている。首位のドイツとは大きく差があるが、イタリア統計局の数字をみても、対米貿易黒字は2021年が約335億ユーロ、2022年が約402億ユーロ、2023年が約421億ユーロと少なくない。また、トランプ大統領がNATO加盟国への防衛費増額を要望する可能性が高いとされる中、イタリアはスペイン、ベルギー、スロベニア、ルクセンブルクなどと並び、防衛費がGDPの2%(NATOが設定する目標値)に満たない国の1つとなっている。同レポートでは「両首脳の良好な関係を考えると想像しがたいが、イタリアは米国の批判の目から安全圏にいるわけではない」と考察している。トランプ大統領の現実主義に対し、メローニ首相が外交手腕をどう振るうのか、注目が高まる。

(平川容子)

(イタリア、米国、欧州)

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