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ジェトロ、欧州イノベーション会議(EIC)と初の協業連携事業を実施(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月18日 0時25分

ジェトロは10月9日、欧州イノベーション会議(EIC)と共催で、EICと在欧州日系企業の技術探索・協業連携拠点担当者とのネットワーキングイベントを開催した。ジェトロの国際オープンイノベーションプラットフォーム、「J-Bridge」の一環。

EICは、EUの研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」の第3の柱、「イノベーティブ・ヨーロッパ」の中核機関で、画期的技術やゲームチェンジにつながる革新技術を特定、それらの事業化・事業拡大を推進している。このイベントでは、その中でもスタートアップへの出資を含むアクセラレーションサービスや、大企業との協業連携案件組成などを担うビジネス拡大サービスに焦点を当て、在欧日系企業など14社が参加して関係の深化を図った。

冒頭、EIC・中小企業庁(EISMEA)のジャン・デビッド・マロ長官より、支援企業にとって日本は欧州外で米国、カナダに次ぐ注目市場であり、日本企業の関与の深化を期待する旨発言があった。続いて、ジェトロ・ロンドン事務所の由良英雄所長より、EICによる多様なサービスの紹介が、日系企業との関係構築の第一歩となることに期待が寄せられた。

EICのサービスについては、ステファン・オウアキ代表より、補助金の提供や出資を行うスタートアップなどの支援企業は6,000社超に達し、うち670社に出資を行っていること、支援対象がEU27カ国に加え、英国、ノルウェー、西バルカン諸国、トルコ、ウクライナなどのホライズン・ヨーロッパの準加盟国の企業も含まれることなどの説明があった。また、支援企業のビジネス拡大サービスを統括するアニエスカ・スタシアコウスカ氏からは、日本企業にも裨益(ひえき)するサービスとして、(1)テックハントプログラム(注1)への参加、(2)EICファンドへの出資、(3)支援企業の個別スカウティング(注2)の3つの紹介があった。

ジェトロ・ロンドン事務所の蒲田亮平広域担当ダイレクターからは、EICとの連携方向性として、EIC支援企業などを招いた欧州横断ピッチイベントの開催や、テックハントプログラムおよびファンド出資に関心を有する日本企業の紹介を試行することでEICと合意をした旨の紹介があった。また、参加日系企業のうち6社から、オープンイノベーションにかかる取り組みの紹介があり、活発なネットワーキングが行われた。

写真 EICのスタートアップ支援策の紹介(ステファン・オウアキEIC局長)(EIC撮影・提供)

EICのスタートアップ支援策の紹介(ステファン・オウアキEIC局長)(EIC撮影・提供)

(注1)企業が提示した課題の解決に取り組むスタートアップについて、EICがメンタリングやピッチイベントを開催しマッチングを支援、協業連携につなげる。

(注2)EICの持つ6,000以上のEIC受益者のデータベースより、企業ニーズに合わせたスタートアップを提案する。

(蒲田亮平、上永吉郁佳)

(EU)

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