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2024年世界平和度指数、世界的に悪化するもインドは過去最高水準(アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月21日 11時30分

オーストラリア・シドニーを拠点とするシンクタンク経済平和研究所(Institute of Economics and Peace:IEP)は6月11日、「世界平和度指数2024年版(Global Peace Index 2024:GPI)」(注1)を発表した。同報告書では、世界の平和度が10年連続で悪化しており、紛争数が全世界総計で56と、第2次世界大戦以降で最多を記録したと明らかにした。また、暴力による経済への影響は19兆1,000億ドルと、世界GDPの13.5%に等しいとした。

163カ国・地域中、アイスランドは2008年の調査開始以来16年連続で、世界で最も平和な国であり続けている。2位はアイルランド、3位にはオーストリアが続いた。日本は前年から順位を4ランク落として17位だった。

南アジア地域(注2)は平和度がわずかに悪化、中東・北アフリカ(MENA)地域、サブサハラ・アフリカに続いて世界で3番目に平和度が低い地域だった。その理由として、国連平和維持活動への拠出金減少とGDP比での軍事費の増加を指摘した。南アジア各国の順位とポイントは次のとおり。

南アジア地域で最も平和度が高かったのはブータンで21位(前年:24位)だった。前年より順位を上げ、2011年以降継続して同地域内で最も高い平和度を維持している。「恐怖政治」の項目では過去最良水準を記録したが、国民1人当たりに対する警察官・公安当局者の割合が他国に比べて高い点を懸念事項として挙げた。
アフガニスタンは160位(同:160位)と、全世界比でも最低水準だった。前回は全体的に改善が見られたものの、今回は「軍事化」と「治安」の項目が悪化した。他方、内戦による死亡者は近年急激に減少し、2017年の1万8,000人から2023年は350人だったことから、テロの影響が「最も高い」と判断される状況にはないと分析し、現状維持となった。
80位(同:68位)のネパールは、前回比で平和度が2.5ポイント低下し、悪化率が域内最大だった。内戦による死亡者はゼロを記録し、「武器輸入」や「軍事」に関する指標は改善したものの、順位を大きく落とした。
インド116位(同:121位)は、前回比で平和度が1.6ポイント改善、統計開始以来の最高水準となった。しかし、近隣国との和平状況については課題が残るとしている。

その他の南アジアの国では、バングラデシュ93位(同:85位)、スリランカ100位(同:99位)、パキスタン140位(同:142位)だった。

(注1)GPIは、23の質的・量的指標を用い、現在進行中の国内・国際紛争の程度、社会の安全と治安のレベル、軍事化の度合いといった3つの領域にわたり、各国の平和の度合いを測定している。

(注2)IEPの定義する南アジア地域は、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、スリランカを指す。

(深津佑野)

(アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ)

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