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5月CPI上昇率は前年同月比3.9%、食品価格高騰対策が急務(フィリピン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月24日 0時5分

添付資料PDFファイル(273 KB)

フィリピン統計庁(PSA)は6月5日、2024年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が前年同月比3.9%だったと発表した。前月(3.8%)から0.1ポイント上昇した。フィリピンのインフレ率は1月(2.8%)以降、緩やかに上昇しており、5月のインフレ率は過去6カ月で最も高かった(添付資料図参照)。一方、2024年1月から5月までの平均インフレ率は3.5%で、フィリピン中央銀行(BSP)が2024年の目標とする「2.0~4.0%」の範囲内にとどまっている。

PSAは、5月のCPI上昇の要因について、主に住宅・水道・電気・ガス・その他燃料の部門のインフレ率(前年同月比)が前月の0.4%から0.9%に上昇したこと、および運輸部門が前月の2.6%から3.5%に上昇したことなどを挙げた。一方、インフレ率全体に対する寄与率が55.0%を占める食品部門は6.1%と、前月の6.3%から低下した。これには、野菜・塊茎(ジャガイモなど)・調理用バナナなどの価格の伸びが前月の4.3%から2.7%に、コメが同23.9%から23.0%に低下したことが影響した。PSAは食品部門のインフレ率について、2023年5月時点(7.5%)よりは低く抑えられたと強調したが、BSPは食品価格の高騰がインフレ率上昇の原因の1つと発表した。

食品価格高騰の要因となったと考えられるエルニーニョ現象は、5月10日時点で63億ペソ(約170億円、1ペソ=約2.7円)の農業被害をもたらしたとされる(「インクワイアラー」紙5月11日)。フィリピン財務省(DOF)および国家経済開発庁(NEDA)は食糧供給維持のための政府介入が急がれるとし(「ビジネス・ミラー紙」5月7日)、5月19日には貿易産業省(DTI)が複数の食品について値上げを当面見送ることでメーカー各社と合意したことを発表した(注1)。また、NEDAは2028年までの輸入米の関税率引き下げ(注2)も承認しており、食品価格の上昇を抑え、国全体のインフレ率の低下につながることが期待される。

(注1)加工食品、ボトル入り飲料水、加工乳、インスタントラーメンなど。価格を据え置く期間は企業により異なるが、6月までもしくは7月までが想定されている。

(注2)関税率は35%から15%に引き下げられた。

(西岡絵里奈、アセンシオ・アシュレイモイラ)

(フィリピン)

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