カシオ、ナイジェリア専用の関数電卓を発表（ナイジェリア）

カシオ・ミドルイースト・アンド・アフリカは6月27日、ナイジェリア向け特別仕様の関数電卓「fx-9910NG PLUS 2nd Edition」の発表会を開催した。

同電卓は、ラゴス州政府教育省や教師の意見を拾いながら、現場の教育ニーズを把握したうえで作られた専用機で、ラゴス州政府教育省の認証も取得しているという。

新商品の発表会（ジェトロ撮影）

この発表会には、ラゴス州政府教育省、州内の高校、連邦教育省、国家試験評議会（NECO）、西アフリカ試験評議会（WAEC）などの教育関係者が多数参加した。

同社はこれまで「カシオモデルスクールプロジェクト」を通じて、ラゴス州政府教育省の協力により、ラゴス州内の6つの高校で関数電卓による数学の習熟度を高める活動を行うなかで（2023年5月19日記事参照）、現場の教育ニーズを把握するとともに、ナイジェリア側と相互の信頼関係を構築してきた。

専用機の発表は、ナイジェリアにおける質の高い教育への貢献だけでなく、同社の販路を開拓するうえで、模倣品対策にもつながっている。カシオモデルスクールプロジェクトのモデル校でも、これまでに気づかずに模倣品の関数電卓を利用している生徒がいた。模倣品は購入後に不具合が生じるが、購入時の真贋（しんがん）判定は難しくなってきている。そこで今回、ナイジェリア向けに特化した専用機として提供することにより、全世界モデルと比べて模倣品が生まれにくくなり、横行する模倣品対策にもなることが期待されている。

今回カシオが発表したナイジェリア向けの専用機（ジェトロ撮影）

カシオ・ミドル・イースト・アンド・アフリカ社長の清宮貴司氏はジェトロのインタビューに対し、「カシオモデルスクールプロジェクトでの成功に続き、専用機の発表により、ナイジェリアでの教育分野により深く入り込んでいける」と、今後への抱負を語った。

（マイケル・アヌーサ、奥貴史）

（ナイジェリア）