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EU、上半期の発電量の半分が再エネに、風力発電が拡大(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月27日 0時0分

欧州委員会は9月11日、EUのクリーンエネルギーへの移行状況を概説する年次報告「エネルギー同盟の現状報告2024」を発表した(プレスリリース)。

同報告によると、風力発電は天然ガスを抜き、原子力に次ぐ電力源となり、その結果、再生可能エネルギーは2024年上半期のEUの発電量の50%を占めた。また、輸入に占めるロシア産天然ガスの割合は2021年の45%から2024年夏までに18%に削減し、ノルウェー(34%)や米国(18%)など信頼できるパートナーからの輸入が増加した。域内の天然ガス需要は2022年8月から2024年5月までに18%削減した。

エネルギー価格は、2022年のエネルギー危機の水準を大幅に下回っているものの、依然として高止まりしている。特に産業用電力価格は米国や中国と比べて高く、エネルギー集約型産業など欧州の競争力を脅かすとした。域内のインフラネットワーク統合のための投資の必要性も指摘した。

また、エネルギー効率化については、2030年目標(2023年8月2日記事参照)達成に向け、暖房機器の電化や建物の改築を通じたエネルギー効率化へのさらなる取り組み強化の必要性を指摘した。EUの温室効果ガス(GHG)排出量は2022年までに1990年比32.5%減少し、経済活動は約67%成長した。欧州気候法で定める2030年目標(2023年10月12日記事参照)の達成に向け、加盟国に国家エネルギー・気候計画(NECP)の最終版(2024年7月9日記事参照)を速やかに提出するよう求めた。

ネットゼロ技術の開発を加速し、欧州の製造基盤を強化し、欧州グリーンディールを実施する上では、欧州バッテリー同盟や、欧州クリーン水素アライアンス、欧州太陽光発電産業同盟、再生可能・低炭素燃料バリューチェーン産業同盟、小型原子炉産業同盟などの産業界との連携が重要な役割を果たすとした。

このほか、ウクライナとモルドバの送電網を欧州の電力網に接続したこと(2022年3月25日記事参照)により、ウクライナの電力系統が安定したと評価した。

(大中登紀子)

(EU)

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