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4月貿易収支は191億ドルの赤字、輸出入額がともに拡大(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月30日 0時0分

添付資料PDFファイル(157 KB)

インド商工省(MoCI)が5月15日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、4月の貿易収支(サービスを除く)は191億ドルの赤字で、2020年6月以降貿易赤字が続いている(添付資料図参照)。輸出額(サービスを除く)は349億9,107万ドルで、前年同月比約1.1%増とわずかに拡大した一方、輸入額は540億9,413万ドルで、同10.3%増と2カ月ぶりの2桁増となった。貿易赤字幅は先月よりも拡大し、2024年に入り最大を記録した。

輸出額の内訳を見ると、石油製品66億1,964万ドル(前年同月比約3.1%増)、電子製品26億5,132万ドル(同25.8%増)、有機・無機化学品24億9,642万ドル(同16.8%増)、医薬品24億2,850万ドル(同7.4%増)などが金額を伸ばした。一方で、エンジニアリング製品86億6,539万ドル(同3.2%減)、宝石類22億5,795万ドル(同6.9%減)などが減少したことにより、輸出額全体はわずかな増加となった。

輸入額に関しては、全体の約3割を占める石油製品・原油が164億6,303万ドルで、前年同月比約20.2%増だったことに加え、電子製品70億5,126万ドル(同10.0%増)、金31億1,465万ドル(同3.1倍)の増加などが主因となって拡大した。石油製品・原油の国内需要拡大や金価格の高騰、国際的な商品価格の上昇などが背景にあると考えられる。

商工省は輸出に関して、地政学的緊張が高まるなど世界的な逆風の中でも、プラス成長となったことを前向きに捉えられている。同省のバルトワル商務次官は、商品輸出はポジティブな領域に入っており、受注が拡大しているため、今後はより速い成長が期待できると述べている(「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙5月15日)。他方、原油や石油製品などの輸入は拡大しており、製造業振興に基づく輸出体制整備と並行して、国内のエネルギー転換への対応も急務だ。

(丸山春花)

(インド)

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