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米下院監視・説明責任委、デジタル貿易巡るUSTRの決定にインタビュー調査を要請する書簡送付(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月16日 15時20分

米国連邦議会下院の監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党、ケンタッキー州)は7月11日、米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表に対し、デジタル貿易に関するUSTRの決定に関してさらなる情報提供を求めるとともに、ICTサービス・デジタル貿易ディレクターのジリアン・デルーナ氏へのインタビューを要請する書簡を送ったと発表した。

監視・説明責任委のコマー委員長は3月に、USTRがWTOの共同声明イニシアチブ(JSI)会合やインド太平洋経済枠組み(IPEF)の交渉で、デジタル貿易ルールに対する支持を撤回した決断について調査すると発表していた(2024年3月11日記事参照)。その後5月には、USTRが調査要請に適切に対応しなかったとして、デルーナ氏へのインタビュー調査を要請していた。今回発表された書簡によれば、USTRは書簡送付前日にデルーナ氏のインタビューに応じる旨を伝えたものの、インタビューのテーマは同委にとって「受け入れがたいほど狭いもの」だったという。

また書簡では、6月に同委に対して行ったブリーフィングにおいて、USTRのスタッフが、「電子商取引条項への支持を撤回するUSTRの決定について、バイデン政権内部からの異論や懸念については議論しない意向を示した」「USTRが今回の決定に対する内部の異議申し立てに関する質問に、協力しない可能性があると表明した」などと、USTRの対応の欠点を指摘した。さらにブリーフィングでは、USTRのスタッフが、同委に送付されたほぼ全ての文書は、既に公開されているか、情報自由法(FOIA)を通じて既に入手可能なものに限られていることを認めたとし、「当委員会が受け入れられるレベルの協力ではない」と非難した。書簡では、「国家安全保障会議(NSC)でさえ、USTRの決定を中国との貿易競争における米国の目標に反するものと考えていた」とも記載している。

これらを踏まえ、コマー委員長は「USTRは監督と説明責任を真剣に受け止めなければならない」としてあらためてデルーナ氏へのインタビューを要請し、「必要であれば、強制手続きを利用する」と明記した。

デジタル貿易を巡るルール形成について、USTRのタイ代表は「何が公共の利益となるのか、議会、産業、業界大手、中小企業、労働者などから知恵を結集することが先決」「USTRが単独で答えを出すのではなく、立ち止まることがリーダーシップ」と述べており(2024年6月5日記事参照)、米国主導でのルール形成を望むコマー委員長や全米商工会議所などと立場を異にしており(2024年6月6日記事参照)、米国内で議論が収束する見通しは立っていない。

(赤平大寿)

(米国)

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