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8月の拡大消費者物価上昇率、2023年6月以降初の前月比マイナスも、上昇懸念残る(ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月18日 0時25分

添付資料PDFファイル(176 KB)

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月10日、同国の代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の8月の上昇率が前月比マイナス0.02%となったと発表した(添付資料表参照、注1)。7月の上昇率から0.4ポイント低下し、2023年6月以降、初のマイナスとなった。

費目別に見ると、9項目中、住居関連は0.51%減(寄与度0.08ポイント)、飲食料品は0.44%減(寄与度0.09ポイント)と2項目がマイナスだった。飲食料品ではジャガイモ(19.04%減)、トマト(16.89%減)、タマネギ(16.85%減)が大きく下落した。IBGEのアンドレ・アルメイダ物価指数アナリストは飲食料品価格について「価格下落の主な要因は、製品の市場供給が増加したことだ。2024年半ばに温暖な気候が続き、収穫ペースが加速し、収穫量が増加したこと」を挙げている。住居関連については「電気代の追加料金がなくなったことが主な要因」と説明している。ブラジルでは、電気代の追加料金は水力発電所のダム貯水量や火力発電所の稼働率を基に算定される。7月は、6月28日付国家電力庁(ANEEL)のリリースで発表していたとおり、降雨量不足で貯水池の水が減少し、追加料金が適用されたため、電気代が上昇したが、7月26日付リリースによると、その状況が改善し、8月に追加料金が廃止された。

しかし、8月30日と9月4日付ANEELのリリースによると、降雨量不足が再び発生したため、追加料金があらためて導入された(注3)。さらに、現在多くの地域で干ばつや森林火災が深刻化しており、フェルナンド・アダジ財務相は9月11日付の現地紙「グローボ」のインタビューで「気候の影響で食料価格、またはエネルギー価格が上昇する可能性には若干の不安がある」と述べ、今後インフレ率が上昇することへの懸念を示した。

(注1)1~8月累計では2.85%、直近12カ月で4.24%の上昇率。

(注2)追加料金は「緑」「黄色」「赤1」「赤2」の4段階の色で示される。「緑」だと追加料金はないが、「黄色」の時は100キロワット時(kWh)当たり1.89レアル(約49.14円、1レアル=約26円)、「赤1」は同4.46レアル、「赤2」は7.88レアルが追加で徴収される。

(注3)8月に「緑」だった電気料金は9月には追加料金のある「赤1」に設定された。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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