ドイツ首相がウズベキスタンを訪問、産業協力プログラムを採択(ウズベキスタン、ドイツ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月30日 0時10分
ドイツのオラフ・ショルツ首相は9月15~16日、3日間の中央アジア歴訪の1カ国目としてウズベキスタンを公式訪問、両国の首脳会談や経済界との会合が行われた。訪問中、両国間の協力に関する共同宣言や、移民労働、重要鉱物、輸送、気候変動などの分野での協力合意、2024~2026年の技術パートナーシップと産業協力に関するプログラムの採択などが行われた。
産業・技術パートナーシップ・プログラムには、シーメンス・エナジーとの国内各地でのコンバインドサイクル発電所の建設、リンデ・グループとのグリーンアンモニアおよびメタノールの生産、ドイツ復興金融公庫傘下のIPEX銀行の参画による大規模な銅鉱床の開発、ギガ・ファイバーとの銅鉱石採掘とケーブル生産など、ドイツの企業や銀行と共同で開発中の約90億ユーロ相当のプロジェクトが含まれている。
欧州・ウズベキスタン経済協力協会のオイベク・シャイホフ代表によると、欧州とウズベキスタンはここ数年密接に交流してきたが、投資が増加し始めたのはごく最近のことだという(「ドイツェ・ベレ」ロシア語版9月18日)。
さらに、ショルツ首相の訪問中に、ドイツ復興金融公庫および輸出信用銀行のAKAとウズベキスタン国営アルマリク鉱業冶金コンビナートとの間で融資契約が締結された。第1回トランシェ(分割融資)として1億4,600万ユーロが拠出され、同コンビナートがタシケント州に銅精錬工場を建設する資金に充てられる。また、ドイツ投資開発公社(DEG)は、同国最大のスーパーマーケットチェーンであるコルジンカと、最先端の配送センター建設のため2,500万ドルを融資することで合意した。
ショルツ首相は、ウズベキスタンにおける鉱物資源の共同探査・開発に対するドイツ側の関心を表明した。ドイツ外交問題評議会の中央アジア専門家であるシュテファン・マイスター氏は、以前はドイツにとって中央アジアの最優先順位は低かったが、2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始によって「このダイナミズムが根本的に変わった」と指摘している(「ロイター通信」9月13日)。
なお、同首相はウズベキスタンの後にカザフスタンを訪れ、9月17日にアスタナで行われた第2回「中央アジア+ドイツ」首脳会議に出席した(2024年9月25日記事参照)。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、ドイツ)
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