2024年度のインフラプロジェクト発表、12案件で総額1,800億ランド超(南アフリカ共和国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月17日 0時0分
南アフリカ共和国政府は3月19日、2024年度(2024年4月~2025年3月)のインフラ開発推進のための、12件の主要な優先インフラプロジェクトを発表した。同発表は、3月17~19日にケープタウンにおいて開催された「持続可能なインフラ開発シンポジウム(SIDSSA)2024」で行われた。発表されたプロジェクトの分野は、輸送や通信、エネルギー、水など多岐にわたる。シリル・ラマポーザ大統領は「SIDSSA 2024」の基調講演で、プロジェクトの合計金額は1,800億ランド(約1兆4,580億円、1ランド=約8.1円)を超えると述べた(3月19日付南ア大統領府)。
12件のプロジェクトのうち、3件は港湾インフラ整備に関連する(3月19日付SIDSSA 2024公式ウェブサイト)。内訳は、港湾の混雑緩和を目的としたダーバン・コンテナ・ターミナル第1埠頭(ふとう)の拡張プロジェクトと、リチャーズベイおよびイーストロンドンでの液体ガス輸入ターミナル建設プロジェクトで、2件の液体ガス輸入ターミナルプロジェクトの金額はそれぞれ21億ランドと22億ランドになると見込まれている。また、リチャーズベイでのプロジェクトでは、2023年1月に南ア政府がターミナル運営会社ヴォパックと長期のコンセッション契約(注)を締結した。
エネルギー分野では、国営石油会社ペトロSAによるモッセルベイでのガス火力発電所ネットワーク構築プロジェクトや、電力公社エスコムによるツバツェ(Tubatse)揚水発電所建設プロジェクトなどが発表された。今回発表されたものを含む2024年度のエネルギー分野プロジェクトの総額は、383億2,000ランドと予想されている。
輸送分野では、自動車やその部品の輸送のための、ハウテン州と東ケープ州を結ぶ鉄道路線の接続状況改善を含むウクブゼレラ(Ukuvuzelela)プロジェクト(75億ランド)が発表された。
その他の分野では、ンコマジ(Nkomazi)とナマクワ(Namakwa)での2つの経済特区の建設プロジェクトや、水のバルク供給プロジェクトなどがあった。
ラマポーザ大統領は「SIDSSA 2024」基調講演で、南ア政府はインフラプロジェクトの政府承認の迅速化などを進め、民間部門からの資金調達を促進する改革に取り組んでいるとした。また、インフラ部門の国家目標達成のためには、2030年までに公共部門から1兆6,000億ランド、民間部門から3兆2,000億ランドの追加投資が必要と述べた。
(注)国や地方自治体などの公共団体が施設の所有権を保有したまま、その運営権を民間企業に一定期間付与すること。
(トラスト・ムブトゥンガイ)
(南アフリカ共和国)
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