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米政府、インドとのデジタル課税合意の延長を発表も、7月以降の取り扱いは不透明(米国、インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月2日 10時50分

米国通商代表部(USTR)と米国財務省は6月28日、インドとのデジタル課税問題に関する合意を6月30日まで延長したと発表した(USTR財務省)。しかし7月1日以降の扱いについては明記しておらず、デジタル課税を巡る動向には不透明感が漂う。

米国はトランプ前政権下の2019~2020年にかけて、独自にデジタル課税を導入した国・地域を対象に、米国の大手IT企業を狙い撃ちしたものとして、1974年通商法301条に基づく調査を開始していた。調査の結果、インドのほか、欧州5カ国とトルコのデジタル課税措置が不公正と判断し、対抗措置として、これらの国からの輸入の一部に最大で25%の追加関税を賦課する案を発表した。ただし、OECDで議論されていた「経済のデジタル化に伴う課税上の課題に対するコンセンサスに基づく解決策の策定に向けた作業計画」で、課税所得を配分するためのルールの見直し(第1の柱)が2021年10月に政治合意されたことを受け、米国はこれらの国と、追加関税などの対抗措置を行わないことで合意した(2021年6月3日記事2021年11月24日記事2021年11月25日記事参照)。

その後、OECDが第1の柱の署名式を2024年6月末までに行うと発表したことから、米国は課税問題に関する合意を2024年6月30日まで延長することで、欧州5カ国(2024年2月19日記事参照)およびトルコと合意していた。今回の発表によると、米国は残るインドとも、6月30日までの延長で合意していた。

一方で、米国は今のところ、いずれの国とも、デジタル課税に関する合意を7月1日以降も延長するとは発表していない。米国通商専門誌「インサイド・US・トレード」(6月28日)によれば、各国は2024年夏までにOECDでの協議の妥結を目指している。ただし、たとえ妥結したとしても、米国がOECDでの合意内容を批准するには連邦議会上院の承認が必要と考えられており、共和党が反対している中、先行きには不透明感が漂う。OECDでのデジタル課税の議論の進展とともに、今後の動向が注目される。

(赤平大寿)

(米国、インド)

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