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TICAD閣僚会合、スタートアップ生かした日本とアフリカの経済協働を議論(アフリカ、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月29日 16時10分

2025年に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた閣僚会合が8月24~25日、東京都内で開かれた。25日の「経済」セッションの開会あいさつで、経済産業大臣政務官の石井拓氏は、日本とアフリカ間のさらなる連携や交流の必要性について述べた。また、2024年12月16日にコートジボワールのアビジャンで経済産業省とジェトロ、アフリカ側ホスト国で「第3回日アフリカ官民経済フォーラム」を開催する予定だと発表し、「日本企業にもぜひアフリカを訪れ、アフリカの躍動感を感じてほしい」と呼びかけた。

パネルディスカッションで、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワ氏は「スタートアップは、イノベーションとテクノロジーを駆使する若者のテリトリーだ」と述べ、アフリカの起業家の26%が女性で(世界最高水準)、女性のフォーマルセクター参画の観点からスタートアップの重要性を強調した。

セネガルのアフリカ統合・外相のヤシン・ファル氏は「アフリカのスタートアップは社会課題解決を担っており、セネガルでは農業生産性で特に貢献している」と述べた。また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の人口の65%が24歳以下の若者であることを挙げ、雇用創出の観点からも、政府がスタートアップを支援する方針とした。アルジェリアの知識経済・スタートアップ・零細企業相のヤシーン・アルマフディ・ワリード氏は「スタートアップは頭脳流出(ブレーン・ドレイン)を防ぐ術でもある。スタートアップの飛躍を取り込んだアフリカの潤滑な経済成長は、アフリカの才能と競争力を大陸にとどめるために必須だ。大学と産業の連携を進め、資源重視の経済からイノベーション重視の経済を作り上げるべきだ」とした。

フリーディスカッションでは、UNDPのエザコンワ氏が「商業的な投資は、アフリカのビジネス環境(法・規制など)の整備が進まない限り、不安定であり続ける。そのため、日本を含む各国政府は政府資金の投資基準をより明確に示し、公的資金を用いた触媒的資本(Catalytic Capital、注)の投資可能性にも着目する必要がある」と述べた。経済同友会中東・アフリカ委員長の渋澤健氏は、TICAD9は2023年の政府開発援助(ODA)大綱改定後初めてのTICADで、政府資金の動きが注目されるとした。

写真 TICAD9に向けた閣僚会合の経済セッションの様子(ジェトロ撮影)

TICAD9に向けた閣僚会合の経済セッションの様子(ジェトロ撮影)

(注)政府などがリスクにより寛容な条件で資金を提供することで、民間投資など、他の方法では参入が難しい第三者からの追加投資を可能にする資本。

(吉川菜穂、坂根咲花)

(アフリカ、日本)

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