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激戦州でハリス氏、トランプ氏の接戦さらに激しく、米大統領選挙世論調査(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月30日 13時45分

11月5日の米国大統領選挙に向けて、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領の選挙戦世論調査で接戦が続いている。激戦州(スイングステート)ではさらに激しさが増している。

「ニューヨーク・タイムズ」紙(10月29日)が最近の激戦州での世論調査を集計した平均値では、ウィスコンシン(WI)、ネバダ(NV)、ノースカロライナ(NC)の3州でハリス氏とトランプ氏の支持率が互角だ。ハリス氏の支持率がトランプ氏を上回るミシガン(MI)では1ポイント未満とわずかな差となった。トランプ氏がハリス氏を上回るアリゾナ(AZ)、ジョージア(GA)では、それぞれ3ポイント差、2ポイント差だが、ペンシルベニア(PA)は1ポイント未満と僅差だ。

また、同紙(10月29日)によれば、不在者投票と期日前投票で投票を済ませた有権者の全有権者に対する割合はNC(46%)、GA(43%)では4割、NV(37%)、AZ(33%)で3割を超えた。激戦州以外ではサウスダコタ(42%)、バーモント(38%)、フロリダ(38%)、テキサス(36%)で割合が高い。

CBSニュースが10月にPAで実施した大統領選挙の世論調査(注1)では、大統領選挙を想定した問いで、ハリス氏、トランプ氏の支持率は共に49%と互角だ。

CNNが10月に実施したAZ、NVにおける大統領選挙の世論調査(注2)によれば、AZではハリス氏の支持率が48%、トランプ氏が47%、NVではトランプ氏が48%、ハリス氏が47%という結果で接戦が続く。また、投票が正確に投じられ、集計されることに対しては、「信頼する」という回答がAZで76%(「非常に信頼する」43%、「いくらか信頼する」33%)、NVで81%(「非常に信頼する」44%、「いくらか信頼する」37%)だった。支持政党別で共和党支持者に限れば、「非常に信頼する」の割合はそれぞれ、22%、18%と低かった(注3)。

ハーバード大学ロースクールのニコラス・ステファノプロス教授は、有権者の所得レベル、教育レベルに基づく選挙における従来の投票傾向が崩れつつあることを指摘する。裕福な有権者が共和党を支持するという傾向は崩れ、特に白人有権者の間で、より教育を受けた有権者は、より教育を受けていない有権者よりも民主党支持の傾向が強いとしている。また、黒人とラテン系有権者が民主党に傾き、白人有権者の過半数は共和党を支持するという傾向も崩れ始め、11月の選挙では1990年代以来、最も人種的分極化の少ない結果になると予想する(ハーバード大学ロースクール10月24日)。

(注1)実施時期は2024年10月22~28日。対象者はPAの登録有権者1,273人。

(注2)実施時期は2024年10月21~26日。対象者はAZ、NV各州の登録有権者781人、683人。

(注3)民主党支持者が「非常に信頼する」と回答した割合は、AZで69%、NVで71%。無党派層は、AZで42%、NVで45%。

(松岡智恵子)

(米国)

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