欧州委、少額輸入品に対するEU規制の適合性検査の強化の方針を発表(EU、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月7日 10時30分
欧州委員会は2月5日、域外のオンライン販売事業者やオンライン・マーケットプレイス(MP)で販売される少額輸入品(150ユーロ未満)に対する輸入管理を強化する方針を発表した(プレスリリース)。欧州委は、2024年の域外からの少額輸入貨物は2022年比で3倍以上に伸びており、EU規制に適合していない有害な製品の摘発も増えているためとしている。名指しこそしていないが、管理強化の念頭には域内向けの販売を急激に拡大させている中国のMPがあるとみられる。
欧州委はまず、短期的な措置として、関税優先管理エリア(PCA)における輸入管理を強化する。これにより加盟国の税関当局は、市場監督当局の協力のもと、輸入品のEU規制への適合性を確認する検査を強化する。特にMPで販売され域内の消費者に直接配送される輸入品が検査強化の対象となる。今回の措置を実施した上で、将来的にはリスク評価に基づき、特定の事業者や製品に対する検査を段階的に強化する方針だ。
また、欧州委は、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会に対し、現在審議中の関税制度の改革法案(2023年5月18日記事参照)の速やかな採択を求めた。同法案には、少額輸入品に対する免税措置の廃止などが盛り込まれている。このほか、両機関に対し、域内の消費者に直接配送される輸入品に対する取扱手数料の導入を新たに検討するよう求めた。この手数料は、輸入品の受け取り時に消費者に対し課すのではなく、MPなどの事業者に課すことが想定されている。
中国のオンライン・マーケットプレイスに対する監督強化の流れが一段と強まる
欧州委は近年、域内消費者向けの販売を急速に伸ばす中国のMPに対する監督を強化している。欧州委は、アリエクスプレス(AliExpress)、テム(Temu)やシーイン(Shein)といった中国発の越境EC(電子商取引)プラットフォームを、デジタル・サービス法(DSA、注)に基づく非常に大規模なオンラインプラットフォームに指定。2024年には、アリエクスプレスとテムに対する同法違反に関する調査を開始した。また今回、シーインに対しても消費者保護規制との適合性に関する調査を開始すると発表した。
(注)DSAの詳細は、調査レポート「EUのオンラインプラットフォーム政策の概要」(2023年2月)を参照。
(吉沼啓介)
(EU、中国)
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