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第2四半期GDP成長率、前年同期比2.3%と前期から加速、財輸出が拡大(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月26日 0時5分

添付資料PDFファイル(347 KB)

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は8月19日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比2.3%だったと公表した。民間消費の伸びが鈍化し、総固定資本形成がマイナス幅を拡大させたものの、財輸出が拡大に転じたことなどから、前期の同年第1四半期(1~3月)の同1.6%から加速した。一方、季節調整済みの前期比は0.8%で、1.2%だった前期から鈍化したものの、引き続きプラス成長を維持した。

2024年第2四半期の実質GDP成長率(前期比)を生産項目別(添付資料表1参照)でみると、農業がマイナス1.1%(前期マイナス2.7%)となり、引き続き減少だが、マイナス幅は縮小した。非農業では2.6%増(前期2.1%増)と、前期から成長が加速。特に製造業が0.2%増(前期2.9%減)と、前期からプラスに転じる結果となった。

需要項目別(添付資料表2参照)でみると、個人消費支出は前年同期比4.0%増(前期6.9%増)で、プラス成長を維持したものの、鈍化した。自動車を含む耐久財支出は6.5%減(前期6.7%減)と引き続き減少し、そのほか非耐久財支出やサービス支出でも伸びに鈍化が見られた。原因については、第2四半期の物価上昇や、金融機関のローン審査の厳格化に伴う家計消費の縮小傾向、外国人観光客の支出鈍化などと分析している。

総固定資本形成は6.2%減(前期4.2%減)と、マイナス幅が拡大した。公共投資は2024財政年度の予算が承認されたことから、4.3%減(前期27.7%減)と、前期から改善傾向が見られるものの、民間投資が6.8%減(前期4.6%増)で、前期からマイナスに転じる結果だった。民間投資の内訳を見ると、建設、機械・装置ともにマイナスに転じているが、特に機械・装置が8.1%減と大きく縮小している。建設では住宅関連投資の減少、機械・装置については自動車関連の機械・装置への投資減少がそれぞれマイナス要因となっている。

輸出は4.8%増(前期2.5%増)と加速し、GDP成長を牽引した。サービス輸出は19.8%増(前期24.7%増)と鈍化したものの、引き続き2桁プラス圏で推移し、財輸出が1.9%増(前期2.0%減)とプラスに転じた。農業産品では、ASEAN向けのコメ関連輸出が増加し、ゴムやドリアンなどの輸出も拡大した。一方、製造業の輸出では、主にASEANやオーストラリアなどへの乗用車、ピックアップトラックなどが拡大した。輸出先では、米国や欧州など主要な貿易相手国・地域への輸出が拡大したものの、日本への輸出は減少した。

なお、NESDC は2024年のGDP成長率を2.3~2.8%(中間値2.5)と予測し、前回予測〔2.0~3.0%(中間値2.5%)〕と、中間値に変更はなかったものの、予測範囲を絞りこんだ。財輸出については、2.0%と前回予測から変更はなかった。消費者物価上昇率については、0.4~0.9%(中間値0.65%)と、前回予測〔0.1~1.1%(中間値0.6%)〕からわずかに上方修正したものの、引き続きタイ中央銀行のターゲットレンジ(1.0%~3.0%)を下回る予測となった。

(藤田豊)

(タイ)

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