1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

ジェトロ、北京市で開催の国際ブックフェア「BIBF」に初参加(中国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 1時15分

中国最大級の書籍見本市「第30回 北京国際図書博覧会」(BIBF)(注1)が6月19~23日、北京市の中国国家会議中心で開催された。展示会場は約5万5,000平方メートル、対象分野は書籍、デジタル出版、コンテンツなどで、中国出版社をはじめ世界各国の出版社が出展し、活発な版権取引が行われた。主催者によると、今回の同博覧会には71カ国・地域から1,600社が出展し(うち外国企業は1,050社)、約22万冊の書籍が出品され、バイヤーや一般来場者が計約30万人訪れた。

ジェトロは、日本の出版関連企業の販路開拓を目的とし、出版取次のトーハンと共同で「特別テーマ展示エリア」を初めて設け、児童書(科学・知識)、イラスト技法書・画集、自己啓発書の3カテゴリーの出版物を中心に展示し、China Japan Street事業(CJS)のオンラインカタログも含めて来場者に広く紹介する試みを行った。また、トーハンが運営する日本事務局は、今回同博覧会に出展した海外の企業・団体としては最大級となる約200平方メートルのジャパンパビリオンを取りまとめ、日本の出版社計43社が出展した。

ジャパンパビリオンを訪れた来館者に、書籍の購入状況と好きな日本の作家について聞いたところ、村上春樹や東野圭吾といった日本の小説家をあげる声が複数あった。回答者(注2)のうち半数以上は毎月1~3冊程度の書籍を読む習慣があり、書籍の購入ルートとしては第1にEC(電子商取引)サイトを、次いで書店を挙げる人が多かった。また、回答者の6割以上は毎月1冊以上、日本の書籍を読むと回答しており、特に日本の漫画や小説に関心を持つ読者が多かった。最近の中国ではゲームやアニメのキャラクターとコラボした商品が非常に人気を博しており、日本の漫画・アニメなどのコンテンツ商品のニーズも高まっている。

新華出版社が2024年1月6日に発表した2023年の中国書籍小売市場の報告書によると、2023年の中国における出版小売市場規模は912億元(約1兆9,152億円、1元=約21円)で、前年比4.7%増加した。その中で、ECプラットフォームが最大の販売チャンネルだった。また、ショート動画による通販の比率が前年から急上昇し、第2位の販売チャンネルとなった。

日本の書籍・雑誌コンテンツが中国の出版市場へ参入するためには、日本語版を輸出する、あるいは中国語版を出版するという2つの手段がある。だが、書籍などの出版業務への外資系企業の参入は「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2021年版)」によって依然として禁止されており、中国国内での出版は、中国の出版社と契約するかたちでのみ可能という状況がある(調査レポート「中国の出版に関する市場調査2023年度更新版」参照)。

中国で外国書籍の出版業務を円滑に展開するためには、必要に応じてエージェントなども活用し、中国における関連法規の改正およびその運用や消費者、市場の動向を注視していくことが重要だ。

写真 ジェトロブースの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロブースの様子(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(注1)北京国際図書博覧会は1986年から開催されている中国最大級の書籍見本市。

(注2)アンケートに回答した来場者は1,145人。

(兪思珂)

(中国、日本)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください