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ポーランド欧州議会選挙、市民連立(KO)が10年ぶりの勝利(ポーランド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月14日 0時40分

ポーランドで6月9日に実施された欧州議会選挙は、投票率40.7%で、欧州全体の総議席数720のうち、53人が選出された。首位に立ったのは「市民連立(KO)」〔欧州議会所属政党:欧州人民党(EPP)〕で、得票率37.1%、21議席を獲得した(注)。「法と正義(PiS)」〔欧州保守改革(ECR)〕は得票率36.2%と、前回2019年の45.4%から約9ポイント落とし、議席は27議席から20議席に落ち込んだ。僅差の得票率ではあるが、2014年以降10年ぶりにKOがPiSを上回った。また、2019年の欧州議会では議席をもたなかった極右「同盟」が、12.1%の得票率で6議席を獲得したが、欧州議会でどのグループに属するかは不透明だ。

「第3の道」〔欧州議会所属政党:EPP、欧州刷新(Renew Europe)〕、「新左派」〔欧州議会所属政党:社会・民主主義進歩連盟(S&D)〕はそれぞれ6.9%、6.3%の得票率で、ともに3議席を獲得した。前者は、2023年10月のポーランド議会選挙(得票率14.4%)(2023年10月23日記事参照)から大きく支持を落とす結果となり、同党を構成する「ポーランド2050」と「ポーランド農民党(PSL)」の協力体制の脆弱(ぜいじゃく)さ、政策の不一致などがその要因として指摘された(「ポリティカ・インサイト」誌6月12日)。

「ポリティカ・インサイト」誌(6月10日)によると、今回の選挙結果は、KOが、連立政権を組む「第3の道」と「新左派」を犠牲にして(at the expense of)、2023年10月のポーランド議会選挙以降、勢力を拡大したことを示した。これは、今回の選挙戦で主導権を握ったドナルド・トゥスク首相の成功である一方で、2党の弱体化が、連立政権の勢力低下につながる可能性がある。

PiSは得票率を落としたものの、KOとは0.9ポイントの僅差で存在感を見せている。複数の現地報道によると、若い有権者から支持を集めた「同盟」の躍進も注目に値する。

ポーランドでは、2025年に大統領選挙が実施される予定で、現大統領のアンジェイ・ドゥダ大統領は2期連続で当選したため、再選はできない。今後の各政党の動向に注目が集まる。

(注)2019年の欧州議会選挙でKOは、PSL、「統一左派(SLD)」などと共に「欧州連合(KE)」として戦い、22議席を獲得した。

(柴田紗英、ニーナ・ルッベ)

(ポーランド)

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