中央経済工作会議、2025年の重点政策は内需拡大を筆頭項目に(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月18日 0時40分
中国の翌年の経済政策の方針を決める中央経済工作会議が12月11~12日に北京市で開催された。会議では2024年を、外圧の増大と国内の困難の増大という複雑で厳しい状況に直面したものの、経済運営は全体的に安定しており、経済・社会発展の主要目標・任務は達成しつつあると評価した。また、外部環境の変化による悪影響が深刻化し、多くの困難と課題に直面しているとし、主な課題として、内需の不足、一部企業の経営難、雇用・収入への圧力などを挙げた。一方で、中国の経済基盤は安定し、優位にある部分も多く、レジリエンスは強く、潜在力が大きいとし、長期的改善を支える条件や基本的な勢いは変わらないとした。
2025年の経済の基本方針として、引き続き「穏中求進(安定の中で前進を求める)」「先立後破(先行して新しいかたちを作り、その後に古いものをなくす)」といった方針のもと、積極的な財政政策に加え、「適度に緩和的」な金融政策により、財政・金融ともに緩和を進めるとした。
2025年の重点政策は9項目が挙げられた(添付資料表参照)。
筆頭には、「消費を強力に拡大し、投資効率を高め、全面的に内需を拡大する」が挙げられた。中・低収入層の収入増と負担減、基礎年金の増額、設備更新策と買い替え促進策の範囲拡大などによる内需拡大を目指すとした。
次に、「科学技術イノベーションにより新たな質の生産力の発展を導き、現代化された産業システムを構築する」が挙げられた。基礎研究、コア技術の開発強化、人工知能(AI)や未来産業の育成のほか、過度な競争(内巻)の是正なども挙げられた。
そのほかには、「重要分野におけるリスクを効果的に予防・緩和し、システミックリスクを発生させないというボトムラインをしっかりと守る」として、不動産市場の安定化や金融リスクへの対応が挙げられた。新規の不動産用地の供給を合理的に抑制し、既存の土地と商業用住宅の活用、既存の商業用住宅の処分促進を図るとした。また、不動産開発の新たなモデルの構築を推進し、関連の基本システムを構築するとした。
また、脱炭素・グリーンについては、「炭素排出削減、汚染削減、グリーン成長を協調的に促進し、経済・社会発展の包括的なグリーントランスフォーメーションを加速する」とし、生態文明システムの改革をさらに深化させ、グリーン産業および低炭素産業の健全な発展エコシステムを構築し、グリーン建築などの新たな成長要素を育成するとした。
(亀山達也)
(中国)
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